ウトナイ湖

2008年1月12日作成
訪れた日 2007年7月1日
 

広がる低湿地、点在する湖沼、その最大の湖畔に佇む。緑は青々として盛夏が近い事を物語る。鏡のような湖は青空を映して、すい込まれそうな群青色。水辺に目を移せば水生植物群落が目を楽しませてくれる。小鳥のさえずりが心地よい音楽に聞こえる。大自然って素晴らしいなぁ・・・と心の底から思った。轟音がするので空を見るとジェット機が着陸態勢に入って近づいてくる。大自然の向うに浮かぶコンビナートの煙突は明らかに不自然な感じ・・・・ここは苫小牧。湖の名前はウトナイ湖。

ウトナイ湖は、周囲9q、面積275haの湖。湿地の植物の宝庫でもあり、渡り鳥の飛来地としても有名である。バードサンクチュアリ、国指定鳥獣保護区特別地区、ラムサール条約登録湿地・・・色々な肩書きを持つ自然の宝庫である。苫小牧コンビナートのすぐ近くにこのような自然があるのが本当に不思議である。そして、千歳空港へのアプローチ経路が真上を通っているので着陸態勢にはいったジェット機が次々と現れる。

色々な肩書きで保護されているお陰で、この湖は都市近郊にありながら、開発という名とは無縁なものとなっている。ネイチャーセンターがあるが、これも質素な山小屋という雰囲気である。張り巡らされている自然観察歩道には展望台があるが、これもで野鳥の観察が出来るように造られた自然と同化したものだった。訪れる人は殆どいなかったが、日本野鳥の会のレンジャーが目を光らせているのが目立った。彼らがいなかったら、この湖もブラックバスに犯されてしまっていただろう。ウトナイ湖の生態系を壊す可能性が高かった千歳川放水路計画もあったが、これも自然保護団体の力で廃案になった。ウトナイ湖は危ういながらもなんとか自然を保っている。

ここで出会ったレンジャー以外の人といえば、迷彩服(動物を驚かせない為か)と望遠レンズを持ったカメラマンくらい・・・。もっと着目されて良いと思うが、レジャー施設が無いと人は来ないのだろうか。それにしても、私はスーツ姿、同行者はサンダル履き・・・・大自然には不釣合いであった。


木の上にジェット機が見える
歩道はずっとこのような感じ
千歳空港に向かうMD81
湖の対岸はコンビナート
かつて勇払原野はこのような湿地帯が続いていた
観察小屋
2年前まで、この中にユースホステルがあった(泊ってみたかったと思った)


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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