●いすみ鉄道キハ52
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懐かしい「アルプスの牧場」のオルゴールが鳴って車内放送が入った。客車列車や電車列車のオルゴールと違い、ディーゼルカーのそれは、簡単なゼンマイ式で、最後まで流れなかったり、途中から始まったりと、人間味を感じる事ができる。このメロディーを最後に聞いたのは急行「みよし」以来6年ぶりある。
大糸線で走っていた最後のキハ52をいすみ鉄道が引き取り、観光用として走らせているのがこの、「急行」である。急行料金を徴収して、指定席もあるが、早く走るわけではなく、あくまでも観光用である。この日は指定席もあったが、自由席に落ち着いた。満席ではないが、それなにり利用客もいるようで、まずは一安心である。存続の危機に瀕しているいすみ鉄道であったが、イベントを実施したり必死の活動を続けている。
国鉄型気動車に揺られて長時間ローカル線を旅したのは過去の話。懐かしいが、もうここでしか乗車できないのは寂しいものである。いすみ鉄道では、急行型気動車のキハ28も導入したが、古い車両のメンテナンスは何かと費用がかかる筈。鉄道ファンとしては嬉しいが、いすみ鉄道の利益を圧迫するような事が無い事を切に願う。
この日は車でいすみ鉄道の起点の大原駅に来た。交番で駐車場を訪ねたら、近くには無いとの事。そこで、いすみ鉄道の窓口で問い合わせたら、近所の喫茶店に置けるとの事だった。 空いているどうかは行かないと判らないと言われたが、列車の発車時刻が迫っているので、とにかく喫茶店に直行した。幸い、車を預ける事が出来て、発車前に駅に帰ってくる事が出来た。 |
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車内はワンマンカーに改造されていたが、昔の面影を残していた。車内広告は、いすみ鉄道の社長のコレクションとの事。いずれも国鉄時代の懐かしいものであった。 | |
国吉駅で列車交換。レイルバスと並ぶと、国鉄型の大型車はやはり重厚で安心感がある。 | |
タブレットの交換。しかし、いすみ鉄道はタブレット閉塞ではない。これは儀式である。写真用に、わざわざ動作を止めて頂ける。そして後で知ったのであるが、この方、観光駅長との事で、ボランティアで駅に立つことがあるとの事である。 | |
国鉄時代からの古いエンジンがカランカランと回っている。アイドリング中は、今にも止まりそうで心もとない感じがするのであるが、これが国鉄型気動車の魅力でもある。 国鉄時代は、ローカル線で長時間の折り返し時間でも、アイドリングをストップしていなかった事を思い出す。再起動が出来なくなるとか言われていたが、今は無き下北交通では国鉄型の車両をつかっていてもアイドリングストップしていた。そんな事を思いだした。 |
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これは春に撮った写真。水が入った水田は、まるで湖のようで美しかった。 | |
小さな無人駅と、ローカル線用だったキハ52はマッチすると思う。 | |
菜の花畑を行くローカル線は乗るよりも見る方が良いかもしれないなんて思ってしまった。本業は乗り鉄なので、あまりこういう写真は撮らないのであるが・・・・。 |