●流山線

・2009年5月24日作成
訪れた日 2008年6月28日
 

地下鉄も乗り入れてくる複々線の常磐線「馬橋」。跨線橋を渡ると、別世界が広がっていた。狭いホームはどうみても地方の中小私鉄の佇まいである。木造の細い柱に支えられた屋根は低く、圧迫感を感じる。やってくる電車は2〜3両編成。西武鉄道の中古車・・・・昭和30年代〜40年代にタイムスリップしたかのような雰囲気である。

この昭和の遺産のような鉄道が東京近郊に残っているのが奇跡だと言われてた。昔から注目していたが、なかなか足が向かなかった。20年前の言い出せなかった切ない想いなどが交錯して・・・。この電車に乗ったら、ひょっとしたら・・・・なんて。流山といえば「流山電鉄」だったが、2005年「つくばエクスプレスが開通」。大打撃を受けたとの話を聞いて、とにかく訪れようと思った。

複々線の常磐線とは対照的な単線の線路を走り始めた電車。路地裏というか、雑居ビルの間を走り抜ける。駅は自動改札も無く、電車には車掌も乗っている。合理化が進んだ地方私鉄にしてはあまりに旧態依然とした姿に呆れるが、人の温かさを感じる。鉄道ファンには人気があり、今日も先頭車両には私を含め4人の同業者がかぶりついていた。うちひとりは女子中学生のようだ。

終点「流山」まで5.7q、わずか11分の小さな旅である。車庫を併設した駅であるが、全部で5編成(全編成に愛称がついている)。規模は小さい。有人窓口、有人改札、旗を振って列車を送り出す駅員、車掌の笛・・・。本当にタイムスリップしたみたいだ。地方私鉄は合理化が進んでワンマンカーだったり、無人改札だったりするが、ここは昔ながらの暖かさがある。でも、乗客が激減した今、これで大丈夫なのだろうか。

駅のまわりを散策する。新撰組に縁のある場所で無理やり親しみを感じたりもする。図書館で古い写真を見たりもした。好感の持てる街並みではあるが、やはり流山線を中心とした駅付近が一番感じが良い。いつまでもこのままであって欲しいが。「つくばエクスプレス」の影響は甚大なようだ。「総武流山電鉄」から「流鉄」に正式名称が変わったが、変化しても生き残って欲しい鉄道である。

馬橋駅
路地裏を行く
マンションの一角にある駅
終点流山
有人改札
列車を見送る駅員
流山駅

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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