●山万ユーカリが丘線
|
暑い!狭い車内は蒸し風呂状態だった。窓を全開にしたくても、下側は固定窓、上段は車内側に折れて多少開けられる程度。車両も小さく、ロングシートの車両だが、前の人の足がぶつかりそうだ。乗客が思わず「暑いなぁ・・・」と呟いていた。新交通システムといえば近未来の乗り物というイメージだが、今時冷房もない車両なんて・・・・。
やがて運転士が乗り込んできた。運転台もまた極端に狭く、まるで遊園地の豆列車の運転台のようだ。新交通システムの殆どは無人運転をしているが、ここは有人運転しかできない。冷房の問題もあるが、新交通システムというよりも、ナロゲージのローカル線に乗っているような雰囲気である。
1982年にユーカリが丘線が開通した当時、鉄道雑誌に紹介された写真を見ると、近代的な車両が、見渡す限り広がる空地の中をポツンと走っている写真が印象的だった。駅名も、「公園」、「女子大」、「中学校」・・・・まったく土地の匂いを感じさせない。そもそもユーカリが丘って何処? と思う人が大半ではないか。京成線と接続しているが、特急も止まらない。ユーカリが丘線は新規の宅地造成とセットで生まれた。新造された街にローカル色がある訳がなかった。また、誕生当時は街はまだ開発途上で沿線には何も無い状態だった。
「ユーカリが丘」を出た電車は「公園」を出ると一方通行の環状区間に入る。次は「女子大」。和洋女子大が移転してくる筈だったが移転は中止されてしまった。セミナーハウスがあるのが救いか・・・・。沿線は水田も目立ち、同じ新交通でもポートライナーなどと随分違う。本当にローカル線に乗っている気がしてきた。「中学校」、「井野」と進み、トンネルに入る。新交通とトンネルという組み合わせも珍しい。「公園」から来た道を戻り「ユーカリが丘」に戻ってきた。4.1q、13分のミニトリップだった。
ニュータウン構想が失敗して、ゴーストタウンのようなニュータウンも多いが、ここは心配する事態にはなっていないようだ。ユーカリが丘線は、宅地開発業者が直接経営しいるので廃線はないだろう。ただし、パスモが使えないのは驚きだし、冷房の無い車両も気になる。施設の老朽化も進んでいる。リニューアルが望まれるがその噂も無い。
ユーカリが丘線を利用しましょうの垂れ幕に苦戦を感じる | |
小さな電車で3編成しかない | |
狭い、そして暑い | |
運転台の狭さは驚きだった | |
水田も多く残り、新交通システムとアンマッチ | |
トンネルもある | |
起点のユーカリが丘は栄えていた |