●豊田城・水海道(常総市)
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関東鉄道に乗車して、一面の水田に感激したのは数年前。いつか、その水田に水を湛えている風景を撮ってみたいと思っていた。いつもコンデジで撮影していたが、デジタル一眼レフで撮りたくなり、購入して水海道に向かった。撮影ポイントは判っていなかったが、何処でも撮れそうな気がした。
中妻バイパスの跨線橋が、水田を走る列車を俯瞰でる最適にポイントだった。歩道もあって撮影するには安全だったが、人が歩いていない。数時間ここで粘ったが、人とはすれ違わなかった。車道だけで良いと意見している訳ではなく、郊外は車は走っているが、人は歩いていないなぁ・・・と、いつもながらに感じる。また、ここで撮影している間も、他に人は現れず、農家の方から見たら不審者に思われたかもしれない(これが、撮影ポイントだったら、話しかけてくる方もいるのだが・・・)。
撮影していて、背景に写り込む城が気になった。堀もなく、平地に立つその姿は不自然極まりなく、怪しさしか感じない。何かの宗教施設かと思ってしまった。興味半分で近づいてみると、常総市が管理する地域交流センター、別名「豊田城」との事。実際に、この地域には豊田城とよばれた城はあったが、このような天守閣のある立派なものでは無かったそうだ。つまり復元でもない架空の城である。
内部はよくある博物館のようなものであるが、天守閣の最上段が展望台になっている。ここから一面の水田を俯瞰する事が出来た。この時期、まるで湖の中にいるかのような錯覚を覚える。これが農耕民族である日本の原風景のひとつだと思う。個人的には、経済成長よりも、日本の農業を守って欲しいと感じているが・・・。
豊田城。銅像は「長塚節」。明治時代に活躍した地元の文学者である。天守閣には展望台もある。 | |
常総線の車両たち。旧国鉄のキハ35はイベント用のような使われ方をしている。 | |
筑波山のバックに水田の中を行く、旧国鉄車とオリジナルの車両。 | |
水田に沈む夕日が見事だった。東京近郊でもこのような風景に出会う事ができる。 | |
夜の水田も幻想的である。また、雪が降ると大雪原が現れる。まるで東北地方のような景色だ。 |