●箱根登山鉄道(小田原口)
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「いい写真撮れましたか?」箱根板橋駅で撮影していた私に駅員が声をかけてくれた。鉄道ファンは駅員には迷惑な存在な筈だが、ここでは形式別の運用まで教えてくれた。形式を言われても判らないが、一番古い電車の時間を聞き出す事が出来た。古い電車はともかく、箱根登山鉄道の路線でありながら、この駅で登山鉄道の車両を見れるのはあと僅かとなってしまった。
箱根登山鉄道は標準軌の鉄道である。しかし、小田原−箱根湯本間は狭軌の小田急電鉄が乗り入れている。そのため、この区間はレイルが3本並んだ珍しい3線軌条レール区間となっていた。軌間も、車体幅も、地上高も全く違う両会社の車両・・・大型の小田急電車と、小型の登山電車の同居は少々無理があって、プラットホームには大きな段差が出来ていた。これがバリアフリーの時代に問題視されるようになった。
小田急乗り入れ区間は全て小田急車両で統一される事になった。軌間も狭軌で統一されて、ホームも車両に合わせて改良される事になった。新幹線から乗り換える人は、途中の箱根湯本での乗り換えが必要となり、箱根行きは小田急利用の方が有利になったように見える。ますます鉄道離れが進むのではという心配も・・・。
小田原駅の登山電車乗り場も、箱根板橋駅の登山電車専用ホームも、複雑な動きをする3線軌条レールも全て過去帳入りしてしまう。小田原駅から箱根登山電車・・・。私にとってはそれが自然だった。登山電車が小田原まで来ない事が信じられない。しかし、よくよく考えてみれば、乗車するのは10年ぶりだった。当時主力だった古い電車は殆ど姿を消していた。時代の変化に気づかなかっただけかもしれない。
登山電車乗り場は小田急ホームの先 (小田原) |
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ロマンスカーHiSE、登山電車という組み合わせも最後 (小田原) |
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ロマンスカーHiSEもまた、バリアフリーに対応できないため引退に追い込まれた (小田原) |
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複雑なポイント | |
ホームの段差に注目 | |
登山電車は左側のホーム、小田急電車は右側のホーム (箱根板橋) |
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複雑なポイントを通過する登山電車 |