●鶴巻温泉
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温泉という名前に惹かれて下車してみたが、どうみても普通の東京近郊の住宅地。子供の頃から、小田急で箱根に向かう度に気になっていた「鶴巻温泉」。温泉と名前がつくのにロマンスカーは停車する事もなく、不思議に感じていた。
駅名に温泉と名前がついても実態が伴わないのは最近では珍しくない。地元の強い意向で駅名が変更される事があるからである。しかし、この「鶴巻温泉」は1930年(昭和5年)からこの駅名である(戦中から戦後にかけて温泉という名前が外された時期はあるが・・・)。それなりに老舗ではあるが、この情報化社会。この辺りが普通の住宅街である事は事前に知っていた。
それでも多少、温泉街的なものを期待していたが、そのような雰囲気は全く無かった。駅から歩いて行ける日帰り温泉施設「弘法の里湯」は、立派な施設であったが、スーパー銭湯が至るところにある現在、差別化するのは難しいと思った次第。泉質はカルシウムが豊富で、それなりに効能はあるようであるが、循環式の温泉では有り難味も半減する。
そうは言っても市民ギャラリーもある立派な施設で土日は込み合うとの事。元々、ここには旅館があったようであるが、流石に東京から50q圏内では泊まりで来る人は少ないだろう。このあたりは丹沢山系も近く、登山客には愛されているのではないだろうか。
小田急線の駅はみな、相対式ホームで特徴が乏しい。ただし、この駅は急カーブ上に設けられている。前後は直線なので、なぜここに設けたのか少し不思議である。 | |
上り線から小田原方向を臨む。 1946年(昭和21年)、このカーブで死者24名、重軽傷者約140名の大事故があった。乗務員が下車して車両点検中、乗客を乗せたままの列車が走り始めて、このカーブで脱線したとの事である。 |
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駅前は少し寂しい感じである。 | |
いかにも東京近郊の様相であるが、バスの姿が見られなかった。 | |
鶴巻温泉に入れる所はいくつかあるが、駅から徒歩2分で辿り着ける「弘法の里湯」は、電車で訪れる人にはとても便利である。 |