●秩父鉄道2
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「えー、この電車冷房ないの?」 そんな声が聞こえてきた車内。この電車は3両編成であるが、先頭車は冷房付きだが、中間車は今時珍しくなった非冷房車。天井の扇風機が温い風をかき回していた。それでも、走り出せば窓から入ってくる皐月の風は心地よく、一番快適な季節の風を車内において肌で感じられる事は素敵な事だと思う。
羽生を出た電車は水田地帯をノンビリ走る。秩父鉄道と言えば、熊谷から長瀞を通って三峰口までの秩父の山間を行く印象があるが、羽生から熊谷までは関東平野の真ん中の平坦区間を行く。SLもJR新幹線と接続する熊谷始発だし、この区間の印象は薄い・・・。私も、この区間を乗り潰したくてわざわざ羽生から普通電車に乗ったのだ(秩父鉄道は初めてではない)。
さて、私が以前、秩父鉄道に乗ったのは1990年だから17年前であった。あの頃に乗った電車は自社発注のオリジナル車両であった。当時、主力だったオリジナル車両郡は全て姿を消して、今、走っているのは国鉄、都営地下鉄、西武のお古ばかりになってしまった。地方私鉄ではオリジナル車両を作れる力が無くなってしまったのだろうか。
ローカル私鉄に乗る度に、その寂れ具合に胸が痛むが、ここ秩父鉄道は他のローカル私鉄よりはマシだろう。SLは盛況だし、長瀞駅は行楽客で溢れかえっていた。側線には現役の貨物列車が待機している・・・。古い駅舎も残されていて旅情も感じさせる鉄道という事でも知られている。SL以外でも、旅情という点でもっと売り出せば良いのになぁ・・・と思ったりもした。
ちょっと懐かしい国鉄車両 | |
渋い駅が多い | |
長瀞駅は大混雑 | |
SLも人気が持続していた | |
上長瀞駅も渋いが客は少なかった | |
都営地下鉄の車両 |