●足尾本山
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わたらせ渓谷鐵道の終点、雑草に覆われ、何も無い間藤駅から山へ進むと踏み切りが現れ、廃線跡がそのままの形で現れた。1987年に足尾本山の精錬所からの貨物輸送が廃止されて以来、休止線扱いになっている貨物線跡である。わたらせ渓谷鐵道自体が存亡の危機に瀕している現在、復活する可能性は限りなく低いと思われるが、廃線になっていな為に路盤や線路はそのまま残っている。
線路に沿って山奥に進む。やがて、巨大な煙突と、荒れ果てた巨大な工場施設が現れる。これが足尾本山と呼ばれている精錬所である。この煙突から上がった煙で付近の山の植物は死滅し、禿山になってしまった事は有名。鉱毒公害については、足尾銅山のページでも触れているので、あまり深くは書かないが、足尾銅山の閉山とともに環境破壊から、自然復帰へ力を入れられているようだ。
閉山はしたものの、一度破壊した環境はそう簡単には戻らない。日本のグランドキャニオンだと呼ぶ人もいたようだが、禿山の崩落は続いているようだ。しかし、思ったより草は生えていて、努力は結果として現れていた。環境を破壊した精錬所は、こちらは逆に無残に廃墟化してお化け屋敷のようになっていた。貨物線はその精錬所内まで続いていた。施設の一部はまだ稼動してると聞くが、どう見ても跡地である。
周りは深い山に囲まれているが、以前は炭住のような長屋が連なっていたとの事である。北海道のように、ゴーストタウンという程では無いが、人気の無い所にある廃墟は不気味である。しかし、環境問題を考えると、閉山した今の方が良かったのかもしれない。
貨物線跡 | |
公害を撒き散らした煙突 | |
精錬所 | |
今にも貨物列車が現れそう | |
精錬所の煙突が中央に見える |