●日光線
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東照宮から来たバスはやがてJR日光駅に辿り着いた。、1912年(明治23年)に造られたネオ・ルネサンス様式の格調の高い立派な駅舎に驚きを感じる。貴賓室は公開されていないが、2階のホワイトルームは常時見学が可能であり、大正時代の文化を感じる事が出来る。これほど立派な駅であるが、優等列車の発着は無い。そればかりか、JRの特急列車は東武鉄道に乗り入れて、東武日光駅に姿を見せる。かつて、時代の最先端の豪華列車を東武鉄道と競っていたとの事だが遠い昔の話である。団体改札口は昔の名残なのだろう。
今やローカル線と化してしまった単線の日光線であるが、各駅には列車交換設備が残されていて、かつての繁栄を垣間見る事が出来る。4両編成の電車には観光客の姿も無く・・・と思ったが、意外に外国人が沢山乗っている。外国のガイドブックには東武鉄道よりもJRを薦めているのだろうか。そして新幹線乗り継ぎが外国からの観光客には一般的なのかもしれない。しかし、起点の宇都宮駅は新幹線の高架下の場末のような場所。やはりローカル線である事には変わりない。
「宇都宮」から再び「日光」に戻る。先頭車両で車窓を眺めていると、線路はまっすぐ丘陵地帯を貫いているのがわかる。アップダウンを繰り返し突き進む線路を見ると、北海道のローカル線、標津線を思い出す。そして、「日光」付近では牧場もあり、その思いは強くなった。やがて、駅ばかりが立派な「日光」着・・・。と思ったら、駅舎側のホームに10両編成の国鉄特急車両が停車していた。修学旅行臨時列車である。もしかしたら、団体改札も使われたのかもしれない。後で調べたところ、修学旅行の臨時列車は時折運転されているとの事。まだ日光線は活性化する要素がある。そう思うと少し嬉しくなった。
堂々とした日光駅。一応、バスはここを起点として、東武日光駅を経由して観光地に向かう。 | |
これが2階のホワイトホール | |
丘陵地帯をアップダウンして突き抜ける。かつての北海道のローカル線のスケールには及ばないが、彷彿させる景色である。 | |
牧場もある | |
2面3線の立派な駅だった(現在は1線撤去済み)。今日は臨時列車がいるので列車が2本いるが、通常は1面1線使用だと思われる。 | |
これが日光線の車両。ステンレス製の近代的な車両は通常入ってこない。 | |
側線郡跡地が目立つ。かつては、ここで待機する列車が多かったのだろう。 |