●奥多摩
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大月から冬の峠道を突っ走り、日暮れ間際の奥多摩湖へ到着する。シーズンなら満車であろう駐車場も他の車の陰もなく、おそらく氷点下であろう気温の中、時も凍りついたような空気の中、寂しさと孤独感を一層感じてしまう。目前にある小河内ダムは歩いて渡るとやぱり大きい。堤の上から下流を眺めると深い谷を見る事が出来る。ダムの貯水量は半端じゃないとつくづく思う。
中学生の頃、サイクリングで訪れた事もある奥多摩湖。小河内ダムは奥多摩の象徴のような存在だった。そして私が育った東京都東久留米市では、ダム建設にあたり立ち退きを余儀なくされた人たちも多く移住してきており、奥多摩湖や小河内ダムは身近な存在だった。
「奥多摩駅」からダムまで、公共交通機関としてはバスしかないが、かつてはダム建設の為の鉄道も敷設されていた。ダムからも線路跡がよく見える。これがダム完成跡も観光鉄道として機能していれば・・・といつも残念に思う。観光鉄道としての再起の話もあったが、まず無理であろう。
堤を渡った所に慰霊塔がある。ダムは1957年(昭和32年)、19年もの歳月をかけて完成したが、87名もの方が殉職されている。水没してしまった旧小河内村の犠牲も忘れてはならない。
夕方のダム湖は不気味だった | |
非常排水溝ごしに廃線跡が見える | |
堤から下界を眺める | |
非常排水ゲートが無い珍しいダム | |
慰霊塔 | |
橋梁も残っている | |
青梅街道には廃線跡が続く |