●残堀川
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中央線の車窓を一瞬、桜色の線が横切った。途中下車して、桜色の線の正体を探すと多摩川の支流である残堀川沿いの桜並木であった。多摩川にばかり目が行っていたが、多摩川にはこういった小さな支流や用水路を数多く抱えている。これが多摩川の魅力でもある。
残堀川はその名前の通り、多摩川の流れが河岸段丘を形成している過程でとり残された流れと言われている。狭山池から12qに渡って流れ、立川で多摩川に合流する。私が訪れたのは合流地点付近である。江戸時代までは、もっと下流まで流れ、府中用水に合流していたとか(総延長は今の2倍の30q)。また、この川は昔の多摩川という説もある。
桜並木は見事だった。酒宴をやっている人は皆無で、地元の人がケータイで写真を撮っている程度なのが微笑ましい。多摩地区にも桜の名所は多いが、この場所はノーマークだっただけに嬉しい。
河岸段丘なので、川は深い谷になっており、立川駅方面に向かうには急勾配を登らねばならない。丘の頂上から見下ろす多摩川に削られた広い平地を見渡すのも気持ち良い。
線路沿いを歩いていると、用水路が線路を越えているところがあった。農業用水なのだろうか・・・。雨も降っていないにも関わらず、かなり早い流れだった。これも多摩川の置き土産だろうか・・・。歩いているから発見できる事が多く、少し嬉しくなった。
見事な桜並木 | |
中央線が川を渡る | |
右手は多摩川に削られた崖になっている | |
高台から眺める桜並木 | |
桜並木を横切る電車 | |
線路を越える謎の用水路 |