叡山電鉄は京都の「出町柳」から山奥を目指して走るローカル私鉄。「鞍馬」まで結ぶ鞍馬線と、「八瀬遊園(現、八瀬比叡山口駅)まで結ぶ本線がある。京都のターミナル「出町柳」は長いこと他の鉄道と接しない陸の孤島状態だった。そのため、叡山電鉄はいつ廃止されてもおかしくない利用状況だったと聞く。その瀕死の叡山電鉄を救ったのは、平成元年に「出町柳」まで伸びてきた京阪電鉄鴨東線だった。他の鉄道と繋がった叡山電鉄は旅客が倍増して息を吹き返した。
現在の叡山電鉄はガラス張りの綺麗な新車も走る近代的路線だが、私が乗った「鞍馬」行きはいかにも地方私鉄っぽい電車だった。平地を進んでいたが、鞍馬山が近づくと峠道にさしかかる。列車交換のために停車した峠道の小さな駅ではホームに降りてみたが何とも清々しかった。終点、「鞍馬」は山寺を思わせるような荘厳な駅である。ここから鞍馬山へはケーブルカーが走っている。
帰りの電車は、創業以来の1928年(昭和3年)以来60年以上走り続けているという旧型電車であった。丸味を帯びた車体と窓。ニス塗りの木で出来た車内など芸術的ですらあった。現在のエース、ガラス張りの「きらら」号も素敵な電車だが、この旧型電車が鞍馬山のイメージにピッタリだったように思える。
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峠道の小休止 |
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荘厳な鞍馬駅 |
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旧型電車 |
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開けた運転台の窓から清々しい涼風が・・・ |
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渋い運転台 |
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出町柳駅にて |
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