北条鉄道

2008年6月21日作成
訪れた日 2007年10月27日
 

第四土曜日は運休している加古川線を避けて神戸電鉄で到着した「粟生」駅。神戸電鉄と北条鉄道の始発駅であり、加古川線と合わせて3本の路線が乗り入れる駅である。昼食が未だだったので、コンビを探したが、駅前は閑散としており、やっと見つけた老婆がやっている小さな雑貨屋には乾き物しか無かった。まるで人の気配の無い駅前は寒々としていて寂しい。かつては食堂もあったと聞くが、「何も無い」という言葉が相応しい場所であった。

折り返しの北条鉄道で「北条町」に向かう。付近を走る三木鉄道と全くの同じタイプの車両だが、座席形状(ロングシート)だけが異なっていた。接続する加古川線が運休という事もあってガラガラで出発したが、途中駅から大量乗車があって車内は賑わった。高齢者が多いハイキングのようだが、引率者がいるところをみると、北条鉄道とタイアップした企画なのだろう。新聞に連載している「鉄子の鉄学」という矢野直美さんのコラムの中で、ボランティアによって支えられている北条鉄道が話題になっていたのを思い出した。

田園地帯を13.6q、20分で走るだけの地味な鉄道であるが、渋い木造駅舎も残っていて興味深い。特に、「法華口」駅の駅舎は1915年(大正4年)に造られたものらしい。この時は台風の影響で破損していた箇所が痛々しかったが、後日、2008年6月にはボランティアの手によって修理されたとの事。鉄道を残そうという市民の思いは三木鉄道より遥かに熱く感じられる。国鉄時代に撤去されてしまった列車交換施設も復活するとの事である。終点の北条町駅はローカル線には似つかわしくない近代的な駅舎ではあるが、生き残る為に投資されている事が嬉しかった。

「花の北条鉄道プロモーション」という北条市の取り組みのお陰で、沿線には花畑が多い。この季節は秋桜が車窓を彩っていた。公私ともに嫌な事が多く心は荒んでいたが、綺麗に咲く花を見ていると一時的ながらも癒される気がした。そして、北条鉄道のサポーターの強い思いが伝わってきた。この鉄道に、ついでに自分にも明るい明日がありますように。


駅舎は立派だが付近は・・・
法華口駅
播磨下里駅
通学? の自転車をゆっくり追い抜いて走る
終点北条町
貴重は2軸レールバスが休んでいる
車窓はコスモス畑が多い
田園地帯を真っ直ぐ貫く路線であった

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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