●ポートライナー
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無人電車は、三宮駅のビル群を通り抜け、大きなカーブで高度を稼ぎ、ポートアイランドへと渡る。海を越えてゆく時、後方には六甲連山、横には神戸港が俯瞰できる。ここがポートライナーの車窓の白眉ではないだろうか。ポートアイランドの一期工事区間は、ポートピア81博覧会が行われた会場でもあり、電車は反時計回りの周回運転を行っていた。右手に見えていたパビリオンは既に無くなり、商業施設などが立ち並んでいる。大学も多い。かつて妹と来た事があったポートピアランドは2006年に閉鎖されてしまった。周回路線を分岐すると、二期工事区間に入る。陸地に取り残された防波堤の撤去作業が続いていた。二期工事区間は、まだ開発が進んでおらず、巨大な空き地が目立つ。巨大な橋で再び海を越えると、人口島にある飛行場、神戸空港に到着する。飛行場を間近に見る景色も気分が高揚する。
世界初の無人運転システム、新交通システムとよばれて産声をあげてはや27年・・・。当時は画期的で、私はポートピア81博覧会よりも、むしろこのポートライナーに乗りたくて仕方なかった。新交通は、バスと電車の中間の位置づけの小規模輸送手段であるが、ここは快速運転を行っていたり、神戸空港へのアクセスという重責を担っていたり、むしろ電車に近い気がする。
開業当時の車両が未だに現役というのは驚きであるが、さすがに老朽化により新型車両への交代が予定されている。新交通の規格が出来る前に開業した路線なので、電車や施設を見ているとオリジナル色が強く興味深い。時間帯によっては非常に混雑している印象があるが、累積赤字が問題になっている。ポートアイランドの二期開発が順調に進み、神戸空港が盛況になれば明らかに輸送力不足が予想されるポートライナーだが、これは杞憂のようだ。
複雑なポイント装置が注目 | |
ビルの谷間を行く | |
後方には山並みが見える | |
神戸港の全容 | |
高度を稼いで、一気に海を越える | |
まだ現役、オリジナル車両 | |
最後は神戸空港を眺めて終点に |