●阿久根
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「鹿を見に来たの?」 船乗り場の場所を尋ねたところ、地元の老婆が逆に聞いてきた言葉である。周囲4qほどの阿久根大島に渡るには、阿久根駅より徒歩10分の港から船に乗らねばならない。鹿が名物とは知らなかったが、閑散とした阿久根駅、そして不足している案内板。船乗り場くらい誰でも判るようにしてよ・・・と言いたくなる。
晩秋の穏やかな晴れた日。青い海を見るとワクワクしてくる。しかし、港にはひとけも無く、本当に島に渡れるのか不安になる。ようやく、小さな案内書にたどり着くと「本日欠航」の貼り紙。3連休で晴れているにも関わらずである。多少、風はあっても、観光客が多ければ欠航する事はないと思われる。侘しい気持ちになる。
それでは街を観光しようと、案内板を見て見所を探す。やっとたどり着いた展望台に登るが、荒れ放題で、木々が生い茂り、肝心の展望はきかなかった。これでは不満足なので他の見所を聞こうと人を探すが、前述の通り、寂れた街なので人を探すにも苦労する。ようやく、見つけた人に尋ねると
「(見所など)何もない・・・」との事であった。
灯台ならあるとの事で裏道を歩いてたどり着いたところ、港への赤灯台だったのでガッカリ・・・。そうこうしているうちに、晩秋の日差しは夕暮れ模様。寂れた街の夕暮れはあまりに寂しい・・・。特急列車の停車する街としては侘しいところだったが、新幹線開通後はレイルバスが細々と走るに過ぎない街になる。さらに寂れてしまうのだろうか・・・。
阿久根駅に停車中に特急 | |
阿久根駅 | |
海岸から見た阿久根大島 | |
今、この区間を走る特急は無い |