●特急「つばめ」
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1992年、JR九州が、車両デザインに国際的デザイナーの水戸岡鋭治氏を起用した第一弾の特急列車「つばめ」。最初、永久欠番のような名称を鹿児島本線で使う事に複雑な気持ちがあったが、いざデビューしてみるとJR在来線最高峰に相応しい設備とデザインに納得した。当時でも廃止の方向にあったビュッフェが復活したり、セミコンパートメントがあったり、ヨーロッパの鉄道を思わせる豪華さだった。同時にバブルの匂いも感じるのだが・・・。
門司港発6時59分発の特急つばめ3号に乗れば、終点、西鹿児島まで実に5時間4分の旅を満喫できる。この乗車時間も、在来線特急としは桁はずれであり、最後の在来線のエースのような気がする。実際には博多から乗ったが、それでも3時間43分の旅は充分、乗り応えがあった。「白いかもめ」に乗った後なのでショックは和らいだが、原色を使ったデザインに驚きは隠せない。まるで、デンマークあたりの特急列車に乗っているかのようだった。ソフト面も充実しており、「つばめレディ」と呼ばれた客室乗務員も活躍していた。ビュッフェは旅の疲れを癒すには最高だし、セミコンパートメントの客室も、こんな席に座ってグループ旅行をしてみたくなった。
2003年にビュッフェが廃止され、やがて九州新幹線に役割を譲る事になる運命の「つばめ」だが、この当時は紛れも無く、JR最高の特急列車だったと思う。
待機中の「つばめ」(門司港にて) |
博多駅に進入してきた「つばめ」 |
つばめレディの姿も見られた |
コンパートメントの通路 |
ビュッフェの車内(利用者は少なかったようだが) |
テーブルのランプがお洒落 |