●佐田岬
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15年前の宇和島、私は佐田岬に行くべきか、四万十川を眺める為に予土線に乗るか迷っていた。同じユースホステルに泊った女の子と、駅まで長い距離をお喋りをしながら歩いている時、予土線の発車時刻は過ぎてしまっていた。そこで佐多岬に行こうかなと思っていると、その子も佐田岬に行くつもりだと言い出した。その事を聞いて、一緒に行動したと思われるのも嫌だったので、佐田岬行きは諦めた。結局私は、偶然走っていたJRバスに乗って予土線に追いついた。
15年前に果たせなかった佐田岬の訪問。調べてみると公共交通機関を利用して行くには不便な所だった。長さ40qの細長い佐田半島の先端にある佐田岬、半島の付け根の八幡浜からバスで1時間で三崎(1日3往復)、そこからはタクシーで40分で駐車場、そこから徒歩20分・・・。まるで訪問を拒絶しているかのようだ。八幡浜のビジネスホテルに宿をとり、12時40分の松山から来るバスを待つ。しかし、GWの渋滞で大幅に遅れている。三崎からの最終バスは16時27分。灯台まで往復したら間に合わない。バス営業所で愚痴ってみたが・・・・。
1時間も遅れてきたバスには乗客2名、流石に佐田半島は渋滞する事なく、真っ直ぐな道を疾走した。地図で見ると砂州のような佐田半島は急峻な山が続き、国道は山頂をぶち抜くように敷かれている。両側の海を眺めていると飛行機で飛んでいるかのような錯覚を覚える。真下に小さな漁港がいくつも見える。この道路が整備される1960年代以前はこれらの漁港は陸の孤島だったらしい。
お祭りで賑わう三崎で乗り合いバス(ワゴンタクシー)に乗り換え佐田岬に向かう。ここから先は車がすれ違う事もままならないような隘路となる。途中の串の漁港でもお祭りの真最中。ここで2名の乗客が降りて、佐田岬に行くのは2名だけになった。佐田岬の駐車場から道路は渋滞しており、たまらず途中で降りる。そして岬への歩道に進んだ。
約20分、山道を歩くと展望台が現れる。ここから見る灯台は絶景だが、残念ながら逆光気味。そして岬から九州方面を見るとうっすら煙突が見える。東洋一の高さを誇る日鉱金属佐賀関製錬所の煙突だ。岬らしい岬という印象だが、観光客が非常に多く、岬独特の寂しさはあまり感じなかった。変わったものとしては、付近には蓄養池があり、漁師が釣った魚を一時保存しているとの事である。
駐車場から予約しておいたタクシーに乗って三崎に戻る。時刻表には載っていなかったが、18時発のローカルバスが走っていたのだ。乗客は僅かに2名、運転席横に座り、臨時起用の老運転士の話を聞きながら楽しく旅を締めくくった。この伊予鉄南予バスは古い車両が多く、バスファンに人気だそうだ。
伊予鉄南予バス | |
佐田半島を行く国道から | |
佐田岬灯台 | |
午後の撮影は逆光気味 | |
九州を眺める | |
蓄養池と旧陸軍の砲台跡 | |
後日フェリーから見た佐田岬灯台 |