●急行「あおもり」 1/3
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1986年8月11日名古屋駅11番ホームは客車の発電機の凄い音で包まれていた。夜行列車の長旅の前にホームのきしめんスタンドで腹ごしらえ。
客車は10両編成。指定席の方が混んでいて、3両の自由席は乗車率30%程度。やがて22時10分。千キロ、20時間、44駅停車の長旅が始まった。岐阜・大垣・関ヶ原と快調に飛ばし、23時15分、米原着。15分の停車中に牽引機関車が変わり、青い直流機関車からローズピンクの交直両用に。進行方向も変わり、北陸本線に踏み出す。ここでおやすみ放送があり夜行運転に。
闇の中の運転だが、コンテナ貨物を追い抜いたり、敦賀では役割を終えた機関車(EF70)を眺めたり、旧線の後を眺めたり、それなりに楽しい。空いているのをいいことに窓を開けて風に吹かれたりもした。13kmというケタ外れの北陸トンネルでは昭和47年(1972年)のトンネル火災跡の煤も確認できた。
もう時効だろうと思うが、この日の運転は酷く、発車の度にドッカン・ドッカンと酷い引き出しを行う。運転技術が左右される客車列車ならではではあるが、おかげで寝れない。
4時30分。入善あたりで夜が明けてくる。鏡のような日本海と次第にオレンジ色に染まりつつある空が美しい。漁船の漁火も幻想的だった。駅に止まった時に窓を開けて夜明けの海辺の清々しい空気を感じる。この雰囲気・この磯の香り・・・まさに夏の朝だ。
日本海沿いに走る北陸本線。親不知海岸は特に素晴らしい。夜明けの車窓に見とれていると建設中の高速道路の橋脚が邪魔をする。北陸本線の車窓から貴重な景色が失われつつあった。
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名古屋駅22時01分発 |
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トップバッターは直流機関車 |
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二番手は交直両用機関車 |
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車内はこの程度 |
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夜が明けてくる |
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夏の夜明け |
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