●細倉鉱山(マインパーク)

・2004年7月10日 作成
訪れた日 2004年6月
 

広大な敷地の駐車場に車は疎ら、遊園地である「ドームゾーン」は閉鎖され、「スライダーパーク」へ向かうリフトも空気輸送・・・。バブルの頃に誕生したアミューズメントパークが飽きられ、哀れな末路を辿る例が多いが、失礼ながらここも同じ匂いを感じた。坑道跡の「アドベンチャーゾーン」は期待に応えてくれるのであろうか。駐車場に着いた時、不安に感じてしまった。

1200年の歴史がある細倉鉱山は、鉛、亜鉛、銀、金など、国内有数のヤマであった。しかし、産業構造の変革、円高、などの理由により、1987年閉山。鉱山跡を観光資源として再利用すべく誕生したのが「細倉マインパーク」。1990年・・・バブル絶頂期だった。

坑道跡の通路はヒンヤリして、暗くで不気味だが、所々に施設跡や展示物があって興味深い。坑道は総延長500qと言われるが、公開されているのは僅かに777m。それだけでも充分に鉱山を感じられる。トロッコも残してあり、鉄道好きにはたまらない。しかし、宇宙を模したゾーンや、わけのわからないBGMや光線が流れてくるのは、正直言って、意味が判らず、首を傾げてしまった。また、閑散として・・・というか誰もいないので怖くもあった。この施設の維持にどのくらいのコストがかかっているのだろうか。

その後、鉱山資料館を訪れたが。鉱山の最盛期のビデオが上映され、活気のあった街並みや、鉱山の雰囲気が伝わり、閉山の時に泣き崩れる鉱夫たちの姿が印象に残った。正直言って、マインパークより見所がある。しかし、ここを訪れていたのは私たちだけだった。

その後、街並みを歩く。鉱山は閉山されたが、巨大工場は産業リサイクル工場として稼動中との事である。しかし、雇用は以前ほどないのであろう。ビデオに写っていた密集した街並みは何処にもない。街に活気もない。細倉駅の周りにビッシリ建っていた長屋は跡形も無く、工場まで延びていた貨物線跡も風化されつつあった。街がゴーストタウンになってしまう北海道とは異なるが、やはりここも、兵どもが夢の跡・・・。


鴬沢町の観光マップ
マインパークは本当に閑散としていた
鉱山の模型から複雑な坑道が想像できた
このような坑道が延々続く
手前の工場は現役だが、どことなく廃墟に通じるものがある

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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