●飯坂温泉(福島交通)
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ステンレス製のちょっと古い電車はかつての目蒲線や池上線の雰囲気。車内も利用者で溢れ、まるで郊外電車。さびれた東北地方のローカル私鉄を想像していたのでちょっと拍子抜け。終点、飯坂温泉までの9.2qの乗車は退屈だった。沿線は終点まで住宅地が連なり、温泉というイメージとはかけ離れたものだった。
終点、「飯坂温泉」駅を一歩出ると、川沿いに温泉街が連なる立派な温泉街と住宅地が同居する不思議な空間だった。その温泉街だが、立派なホテルは沢山あるのだが、どれも廃墟のようだ。事実、廃業した巨大ホテルもあった。暗くなったらどうなるのだろうか。観光案内で地図を貰い、コンビニでタオルを買い(この雰囲気が温泉街にアンマッチ)、外湯を目指す。
外湯は豊富。いくつか巡ってから入る温泉を決めようと歩いてみる。すると、ビル火災で廃墟になったホテルの下に外湯の表示を発見。うーん、怪しすぎる。躊躇っていると、地元のオバチャンが出てきて「ここが一番キレイよ」と勧められたのでここに決めた。
温泉は強烈に熱かった。地元のオジチャンが水を入れてくれたが、それでも耐えられないほどだった。ただ、温泉自体は掛け流し式(循環ろ過をしていない)もので、本物の温泉であった。
体の芯まで温まり、いい汗を流すと酒を飲みたくなる。路地にあるベンチに座って街を眺めながら飲む缶ビールは最高。芸者さんの姿もあり、寂れてはいるのだが、腐っても鯛という印象を受けた。気持ちよく飲んで饒舌になるのだが、話題は会社での出来事の愚痴だったりもして、これは旅にそぐわない。
あまりに普通の電車だった | |
終点飯坂温泉 | |
このホテル郡は幾つが現役なのだろうか | |
廃墟の下にある外湯 | |
おもいのほか綺麗だった |