●石巻線
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小雨がぱらつく梅雨空の中、古いディーゼルカーは小さな入り江に沿ってノンビリ走った。窓を開けると、魚の匂いが入り込んでくるような気がする。今日は天気がイマイチだが、雨の海も風情があって良い。今時、空気や潮の香りを感じられる列車の旅も貴重な体験だ。
石巻線は東北本線の小牛田から、牡鹿半島の先端、女川までを走る72.8qの路線である。この路線のハイライトは、やはり石巻−女川間。牡鹿半島の海沿いの景色だろう。小さな入り江の海岸線を忠実にトレースするため、船に乗っているような錯覚すら覚える時がある。荒々しい海岸沿いも良いが鏡みたいな静かな入江も良いものだ。
終点女川駅は端頭式のプラットフォーム。終着駅っぽい雰囲気が伝わってくるが、それにしても狭い。まるでローカル私鉄の駅のようで微笑ましいのだが・・・。駅か少し歩いた所に港がある。ここは金華山観光の拠点でもあるが、鉄道から船に乗り継いだ人は私たちを含め、数名だったようだ。
石巻駅 | |
湾沿いを走る | |
まるで鏡のような海 | |
終点女川 | |
小さな駅だった |