最初は乗るつもりは無かった。列車が遅れて五能線に乗り継げなかった代替案として選んだ弘南鉄道。車両も東急のお古ばかりで珍しさも無かったし、天気も悪く、八甲田山はおろか岩木山も拝めない。まして終点「黒石」は、国鉄黒石線時代に訪れている。

「弘前」から１時間に１本の電車に乗って「黒石」を目指す。当初の目的を果たせなかった悔しさから乗車してからも苛々していて、ローカル私鉄を味わうどころではなかったが、各駅の佇まいには「らしさ」を感じられる。終点「黒石」の雰囲気は薄暗い・・・けれど清潔で小ぢんまりとした雰囲気は私鉄終着駅ならではだった。気になったのは「田舎館（いなかだて）」駅。青森県田舎館村を「田舎」と感じるかどうかはともかく、漫画にでも出てきそうな安易な名前とそれらしき駅舎が印象に残った。

東急のお古の車両といっても、つり革に「渋谷１０９」の広告が彫られていたりすると感慨深いものがある。そういえば、熊本でも「東横のれん街」の広告を車内で見つけることができた。

田舎館駅、「いなか」が由来ではないだろう

マニアに人気の機関車

東急のお古。東横線でお世話になった

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