●仙山線

作成日:2012年7月28日
    
訪れた日 2012年5月1日
 

4両編成の3扉の電車は快走する。電車は仙台近郊が似合う近代的通勤型であるが、車窓は深い谷や滝が目立つ山岳区間である。ディーゼルカーが喘ぎながら走る光景が似合うが、電車はかなりの速度で突っ走っている。

仙山線は仙台と山形を結ぶ都市間路線であるが、勾配区間も多く、線形は変化に富んでいる。また、日本初の交流電化区間として数々の試験が行われた事でも知られている。この線に乗車するのは3回目、一度目は夜行急行「津軽」の座席で過ごしたが、夜間であったので車窓は楽しめなかった。二度目は山形から快速「仙山」に乗車。たしか山形から仙台までノンストップだったようだが、混雑していて窓際には座れず車窓を堪能する事ができなかった。いずれも90年代の話である。

今回、久しぶりに乗車する訳だが、てっきりロングシートの「走ルンです」こと軽量ステンレスカーかと思ったが、セミクロスシートのしっかりした車両が運用されておりテンションがあがった。ボックスシートから車窓を楽しむ事が出来る事がその理由である。快速列車なので停車駅も少なく、かつての快速「仙山」を偲ぶ事もできた。

車窓の渓谷に目を奪われ、旅情を感じているとやがて仙台市内に入る。すると、車内は大勢の乗客で溢れ、座れない人も多く、東京の郊外電車の車内と変わらない雰囲気になってきた。車窓の写真を撮る事すら憚られる。市内地は各駅停車になってしまい、かつての快速「仙山」で経験したような爽快な走りは終わってしまった。この各駅停車区間は駅数も多くストレスを感じる。1時間強の旅であったが後半が長かったように感じた。山形−仙台間の都市間輸送は高速道路を走るバスに利用客を奪われ、JRは諦めてしまったように思える。


山形を出発すると山形城の堀沿いを走る。写真は勾配区間対応の最新型電車
奥羽本線は標準軌に改軌されたが、狭軌の仙山線や左沢線も乗りいてくるので、羽前千歳まで狭軌と標準軌を並べた単線並列区間になっている。線路を3本並べた三線軌条で複線にしなかったのは運転本数が少ないからであろう。

かつては貨物列車の為に三線軌条区間もあったが、貨物列車の廃止とともに狭軌用の線路は外されてしまった。
有名な山寺(立石寺)は駅からすぐ近く。車窓からもその姿を見る事が出来る。桜が見事。
山岳区間を踏破する。性能の高い電車だから軽々と走っているような気がする。
山岳区間への軽量ステンレスカーは入線に難があり、かつて主力で活躍していたこの車両も忌避されているそうだ。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


back