●津軽鉄道
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ストーブ列車。旧型客車。太宰治・・・。憧れてはいたが津軽はあまりに遠い。朝一番に東京を出ても、1日2往復のストーブ列車の1本目(五所川原12時10分発)には間に合わない。2本目(五所川原14時38分発)だと最終東京行きの新幹線に間に合わない。後に、青森−五所川原間のバスを使えば効率的に乗れる事を知ったのだが、鉄道だけを考えればそうなる。JRの閑散路線である五能線と津軽鉄道は五所川原駅で接続しているが、ダイヤはお互いを無視しているかのようだ。
3月16日、特急「日本海」が遅れて五能線に接続できず、津軽鉄道を訪れられなかった。その翌週、意地だけで再挑戦を行った。夜行バス、仙台発初電「はやて」、「白鳥」、「かもしか」、「五能線」というルートだった。苦労して訪れた五所川原駅には懐かしい旧型客車2両。ニス塗りの木製の車内に昔の旅行の記憶を重ねてみる。
ストーブ列車の運転期間は例年、3月14日までだが、今年に限っては3月いっぱいの運転となっている。これはネットで得た情報だった。時刻表にっは記載されていないので、空いていると期待していたが、意外に観光客で賑わっており、若い女性客も珍しくなった。レイルファンは割合から言うと少な目で、1両は観光団体の専用車両だった。
ノンビリ、だけど激しく揺れながら雪景色の津軽平野を行く客車列車には確かに郷愁を感じる。生活列車ではなく、観光列車でも、乗ってしまえば雰囲気に浸る事が出来る。目玉のダルマストーブは、観光客の絶好の被写体。津軽弁の朴訥とした車掌さんが時々、石炭を投入するためにやってくいるが、観光客など無視して黙々と任務をこなしているようにみえるが、黙ってポーズをとってくれる。
腕木式信号、風格のある駅舎、旧型客車・・・。そこまでは良いのだが、ストーブでスルメを焼いて日本酒を飲んでいる人は少なくなく、明らかに異質な光景だった。匂いも広がる。誰が言い出したかしらないが、ストーブでスルメを焼くのがこの列車の楽しみ方なのだろうが、正直言えは、私もやりたかったが、団体列車ならともかく、この列車は定期列車なのだ。
金木で乗客の大半が降りる。太宰治記念館「斜陽館」、津軽三味線、民俗史料館等、この鉄道の最大の観光地である。時間があれば観光したいが今日はこの列車に乗り通す事が第一目的である。
懐かしい雰囲気 |
ストーブの周りは人気席 |
石炭をくべる若い車掌さん |
昔、デッキから去る線路を見て旅をしたものだ |
機関車も渋い |
通路から見る機関車も楽しい |