●筒石駅
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「いらっしゃい」この駅を訪ねて、改札口の駅員さんに最初に言われた言葉である。そして、筒石集落までの道と、旧北陸本線の廃線跡の場所を教えてくれた。駅員さんに、一目で物好きだと見抜かれてしまったが、この駅、普通客の乗降はあるのだろうか。
筒石駅は、長い頚城トンネル(全長11q)の途中にあるトンネル駅だ。上越本線の土合駅ほどではないが、鉄道好きには知られている駅ではある。降りたのは私ひとりだったが、駅員さんがホームに下りてきてくれていた。地下要塞のようなホームから地上の駅舎まで290段とも言われる長い階段を登らねばならない。駅員さんは、列車が到着する都度、この階段の昇降を強いられているわけで本当に大変だと思う。
手書き文字を印刷した筒石駅周辺の案内図を貰い駅舎を出る。あたりは人家もない山の中・・・。延々と1q弱ほど山を下ってゆくと小さな集落にたどり着く。ここが筒石の集落で、旧北陸本線の跡がサイクリングロードとして残っている。北陸本線の近代化のために、北陸本線は海沿いの隘路を捨てて、トンネルに切り替わった訳だが、この集落の人が駅を利用するにはあまりに不便。体力も要求される。特に、集落から駅に戻るのは、上り坂なので辛かった。
そんな訳で、利用客も殆どいないような筒石駅だが、特急列車や貨物列車の通過もあり、ホームは大変危険なので駅員さんが常駐していらっしゃる。我侭で気まぐれな旅人を迷惑がらずに相手してくれて、嬉しいが、鉄道会社にすれば大赤字で大変な負担になっているのではと心配になってくる。集落には「斜坑入口」の案内板もあったが、駅というより保線施設として残っているのだろうか・・・。
闇の中の筒石駅ホーム | |
地上まであと少し | |
これが駅舎 | |
地下駅と景色がマッチしない・・・ | |
旧北陸本線跡 | |
列車待ち、特急通過は正直怖かった。 |