●横手・十文字
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仕事で十文字を訪れる事があった。十文字駅付近にはホテルが無いので、近くの横手駅付近のホテルに宿泊したが、トレインビューというプランがあった。千円高いのであるが、朝食付プランをやめれば同じ金額になる。しかし、夜、時刻表を見て気がついた。列車が殆ど来ない・・・。
秋田新幹線で大曲駅、奥羽本線に乗り換えて十文字駅・・・・。5時間近くにもなる行程である。飛行機が使える札幌や福岡よりも時間的に遠い。日帰り出張も多かったが、とにかく疲れた。寝台特急「あけぼの」に乗って出張するのが当たり前の時代もあったようだが、1997年の秋田新幹線開業と同時に、十文字駅に上野駅直通の長距離列車が走らなくなった。普通列車が1時間に1本程度やってくるだけになった。
十文字駅は利用客数の割には立派な待合室を備えている。高校生が列車を待ちながら、カウンターに座って自習をしていたり、ほのぼのした光景が印象的であった。待合室は、社交場としても使われているのであろう。夕方には無人駅となり、券売機も止まってしまう。乗車証明書を発行してワンマンカーに乗車するのだが、同行の東京からの出張者はそのシステムがわからないようだった。駅自体は、かつての本線の名残で2面3線の大きなものだった。倉庫への引込み線跡もあるが、貨物駅として使われていたのは1984年までである。
この地域の中心は横手駅である。駅はとても立派であるが、近代的な橋上駅舎の姿は、まるで首都圏郊外の駅のようで味気ない。駅周辺はお世辞にも栄えているとは言い難いが、廃墟が残る十文字駅近辺よりはマシで、ビジネスホテルもある。朝一番に職場入りしなければならない時はここに泊まる。駅付近に温泉もあって、ビジネスに泊まっていても、この施設を利用する事が可能であるのがありがたい。少し罪悪感を感じてしまう。
ホテルから見た横手駅。コンテナがあるがオフレールステーションという事で、貨物列車はやって来ない。秋田までトラックで輸送されるそうだ。 下は名物「横手やきそば」と「十文字ラーメン」。 「十文字ラーメン」はあっさりしすぎて、味噌ラーメン派の私としては何か物足りない。しかし、東京からの出張者は絶賛していた。 |
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横手駅の立派な待合室。そのまま喫茶店が出来そうである。(左上) 駅前にある猩々の道標(上) 十文字駅(左) 貨物駅があった名残も残っている(左下) ラッセル車やロータリー車に変わり、大型の除雪車が活躍している。これは車籍が無く、営業運転中の路線には入る事が出来ない(線路を閉鎖して除雪作業を行う)(下) |
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