●カレドニアン・スリーパー
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日本では考えられないような広大な景色を眺めながらワインを飲んで、優雅な気分で・・・。寝台車を予約していればこういう体験が出来た筈だ。物価の高いイギリスの旅、少しでも安くしようと座席車を選んだのが失敗だった。窓は汚れて外は見えず、食堂車は寝台客専用という事で立ち入れない。こういう所が階級社会のイギリスらしい。私は嫌い・・・。
スコットランドからイングランドに向かう夜行列車に乗ろうと思う。まだ日もある20時前、人気の無い田舎駅フォート・ウィリアム。窓口で寝台車への変更をしたかったが、窓口も閉まっていた・・・。イギリスを代表するカレドニアン・スリーパー(スコットランドからイングランドに向かう夜行列車の総称)は僅か4両編成(座席、食堂、寝台車×2)。いかにもイギリスの機関車っぽい不恰好な機関車(豚のような・・・と私は思う)が牽引する。
優雅にアルコールを楽しんでいる食堂車を横目で睨みながら、車窓が見えない車内で耐えているのも辛いので、デッキで窓を開けて風に吹かれていた。これだったら、ローカルディーゼルカーの方が良かった。おまけに、車掌さんにエジンバラで乗り換えろと言われている。意味がよく判らないが、案内するから大丈夫と言われる。車両交換?
ようやく日が暮れて仮眠していた午前1時。大都市であるエジンバラの巨大ステーションに到着。鉄道ファンがカメラを持って歩き回っていた。ヨーロッパではちょっと珍しい光景だが、日本の鉄道ファンのような人もいるのだろうか。ここで別方面からやってきた長編製の列車と連結。時刻表があてにならないので真相は判らないが、インバネス方面からやってきた別のカレドニアン・スリーパーだと思う。座席車の乗客はすべて、ここで連結した車両への移動を命じられる。同じ型式だと思うが、整備が整っていて窓も綺麗だった。
翌朝、目が覚めると、ロンドン郊外を疾走していた。スコットランドではあまり晴れなかったが、イングランドは快晴だった。牧草地が郊外の住宅地になり、地上を走る地下鉄と並走し、終点ロンドン・ユーストン駅に滑り込んだ。下車してみて改めて編成を眺めると、長い! 長い! 確か16両編成だったと思う。フォート・ウィリアムを出発した時は4両だったのに・・・。
起点のォート・ウィリアム | |
寝台車だけが別世界 | |
いかにもイギリス的な機関車 | |
夕方の高原を走り | |
小さな駅にも止まり | |
山を越え | |
ロンドンへ |