●ジャコバイト号
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延々とローカルディーゼルカーに乗り、ウェスト・ハイランド鉄道の終点マレイグに着いて、さて観光でも・・・と思った。しかし、反対側のホームに停車している蒸気機関車を見て乗りたい! と思ってしまった。慌てて空席を確認、予約してスカイ島の入口まで来ておきながらトンボ帰りを決めてしまった。
さて、ジャコバイト号は100年以上前に製造された大型蒸気機関車との事。日本で言えば、鉄道の黎明期にあたるわけで、このような大型機関車は存在していなかった筈。おまけに急勾配を補機もなく長編製の客車を牽引するとは驚きだ。海外の保存機関車に乗るのは初めて、こちらの機関車はスマートすぎて、日本のような明らかに機械というような無骨な機関車とは明らかに異なっている。好みで言えば日本の機関車の方が好きだが・・・。
客車も古い。外に向かって開く手動ドアは危ないと思っていたが、窓を開けてドアノブを操作して開けるので納得。冬は凍りつかないのだろうか? 客車の素性はわからないが、日本で言えば保存されている旧型客車にあたるのだろう。家族連れでいっぱいになった列車は14時10分に出発した。雰囲気的には日本の保存鉄道とあまり変わりはない。
私はデッキで景色を楽しんでいたが、氷河湖やフィヨルドの中を行く車窓はやはり素晴らしい。日本ならば景勝地でカメラの放列が出来る筈だが、流石に英国では大騒ぎにはならない。それでも、カヌーに乗る人が手を振ったり、機関車も甲高い汽笛(ポーっという感じ)を鳴らしながら、あくまで特別な列車を演出していた。
やはり、グレンフィナン高架橋では大騒ぎで、デッキから写真を撮ろうと人が集まった。この鉄道の魅力はこの高架橋だけではないのに・・・と思うが、ハリーポッター恐るべしだ。デッキで煤に降られながらの撮影も大変だったので、後は客車内で過ごす。約2時間の旅だったが、変化もあって充分に楽しめた。
終点フォート・ウィリアム駅に到着。先頭では日本と同じように記念撮影風景が展開される。しかし、行灯式の前照灯はすぐに取り外され、入れ替えの準備を始めた。こちらの鉄道員は結構ドライだなぁと感じた。
フォート・ウィリアムの小さな駅は、SL列車の乗客で賑わったが、たちまち街へ散って行った。バスターミナルか駐車場に向かったのだろう。鉄道で乗り継ぐ人は殆どいないのだろうか。駅はたちまち無人となってしてしまい窓口も閉鎖された。ちなみに、この時期、SL列車は月〜金の運転となっており、休日の土日が運休。日本の感覚では逆なのだが・・・。
出発準備中のジャコバイト号 | |
古い客車が魅力的 | |
外開きの手動ドア | |
勾配を駆け上がる | |
湖、河川、山と車窓は変化に富む | |
グレンフィナン高架橋 | |
グレンフィナン高架橋 |