月刊
98パンフレットマガジン

1998年10月,11月号(第十,十一合併号)



 PentiumPro(200MHz)を搭載し、398,000円という驚きの低価格を実現したのがPC-9821Ra20です。
 PentiumProは、32ビットアプリケーションにおいて最高の処理性能を誇り、期待の次世代CPUとされましたが、16ビット命令を使用したアプリケーションだと、同クロックのPentiumと同等の性能に落ちてしまう致命的な弱点がありました。これは、アプリケーションのみでは無く、OSのレスポンス等にも言える事で、完全32ビット化のWindowsNTでは最高のパフォーマンスを発揮しますが、16ビット命令が残るWindows95/98ではPentium マシンとそれほど変わりませんし、MS-DOSでは完全に性能が発揮されません。ですから、Ra20はWindowsNT3.51が標準でインストールされ、サーバーPCとして位置付けられています。現在では、16ビット命令を専用に処理するコアとMMXコアが搭載されたPentiumUが登場し、PentiumProは消えてしまいました。最後のPentiumProは2次キャッシュ1MB内蔵の200MHz版でした。ちなみに、MMXPentiumはノートPCにおいて需要があるので、当分の間市場に残るでしょう。


懐かしの名機シリーズNo.7(EPSON 98互換機特集 第3回目)



 「32bitPower」。最強のi80386DX(20MHz)を搭載し、超高速PCを実現したのがPC-386Vです。
 CPUの名称において、386Vが登場した時は廉価版のi80386SXは登場していなく、普通にi80386と呼んでいました。i80386DXは同クロックのi80286より2倍の処理速度を実現し、当時は16ビットマシンと32ビットの差がはっきりと認識でき、体感もありました。現在はCPUの頭打ち問題があり、同じPentiumIIマシンで233MHzと450MHzを比較した場合、ベンチマーク上では差が表れますが、体感はそれほどありません。昔の方が32ビットマシンのありがたみ(満足感)が十分あったものです。386Vは主に企業向けに開発されたもので、キーロック等のセキュリティ機能があり、当時では高級なHDD内蔵モデルも用意されていました。ホビーユースでは無かったので、FM音源は搭載されていませんでした。


 98MATEに対抗するべく登場したのが、PC-486GRSuperとPC-486GR+です。
 大ヒット機種、486GRの性能をそのままに、定価を下げたのがGR+、定価据え置きでCPUをi486DX2(50MHz)に性能を向上させたのが486GRSuperです。両機種ともハイレゾリューションモードを標準で装備し、メモリも45.6MBまで搭載できる様になりました。しかし、98MATEの存在は大きく、486GRで好調だったEPSONが、一気に後退した時でした。実際に、98MATEの方が性能や機能に魅力がありました。


懐かしの名機シリーズNo.8(98NOTE特集)


 98NOTEが大ヒットとなった機種がPC-9801NS/Eです。
 CPUにi80386SX(16MHz)を搭載し、32ビットなのに低価格というのをコンセプトに登場しました。サイズもA4ファイルサイズで当時では、大きく見やすいモノクロ液晶画面に、低消費電力が大きな魅力でした。しかし、何と言っても豊富なPC-98ソフトが基本的にそのまま使えるというのがヒットの一番の理由でしょう。現在でも、中古市場でも98NOTEは高値で取り引きされていて、486マシンモノクロ画面の98NOTEでも数万円はします。Pentiumマシンであれば、同性能のデスクトップの2〜3倍は高値で、98NOTEが人気なのにとても驚かさられます。