月刊
98パンフレットマガジン

2001年4月,5月号(第四十,四十一合併号)


Intel OverDriveプロセッサ特集(第5回目)




 CPUにノーマルPentiumを搭載したPCをターゲットにした、インテル純正のMMXテクノロジPentiumオーバードライブプロセッサ(MMXODP)です。2.5倍速タイプと3倍速タイプの2種類が用意され、Pentium75MHzを搭載したFSB50MHzのPCはそれぞれ125MHzと150MHzにアップ。Pentium90MHz、120MHz、150MHzを搭載したFSB60MHzのPCはそれぞれ150MHzと180MHzにアップ。Pentium100MHz、133MHz、166MHzを搭載したFSB66MHzのPCはそれぞれ166MHzと200MHzにアップしました。
 このODPの特徴は何と言ってもMMXテクノロジのCPUにアップグレードできる事であり、MMX対応ソフトであればパワーアップ上昇率が非常に高い事です。例えばソフトウェアMIDI等、ノーマルPentiumでは処理の負荷が非常に高く、サウンドがきちんと鳴らないといった症状が多々ありましたが、MMXPentiumでは負荷が低減され、サウンドがきちっと鳴る様になりました。他にはMP3のエンコード時間も大幅に短縮されたのも大きな特徴です。逆に欠点として、メーカー製PCにおいて搭載可能な対応機種が少な過ぎた事でした。少なかった理由はMMXPentiumを搭載させる為にはBIOSの対応が必須条件だった為、ユーザーによるBIOSのアップグレードを懸念するメーカーにとっては辛い状況下でした。IBM等はアメリカのメーカーという事もあり、BIOSのアップグレードは進んで行っていましたが、当時まだPC−98が主力機だったNECにとっては一部の機種(VALUE STAR)のみ、BIOSディスクを添付したPC−98専用のMMXODPを販売するという形をとっていました。NECがそこまでBIOSに対して懸念しているのは、日本の国民機たるPC−98の絶対的安定稼動を実現する為には、BIOSをユーザーにいじらしてしまってはならないというPC−98の信頼性の為でしょう。PC−98ユーザーにとってはアップグレードもしたいし安定稼動も必要だしと、複雑な気持ちですけどね。


懐かしの名機シリーズNo.22(98NOTE特集 第7回目)


 75MHz版Pentiumを搭載したLavieシリーズの廉価版、PC-9821Nb7です。Nb7には、10.4インチ、800×600ドットのTFTカラー液晶を搭載したモデルと、10.4インチ、640×480ドットのデュアルスキャンSTNカラー液晶を搭載したモデルがラインナップされました。また、OSにはWindows95が標準搭載され、Windows95時代の幕開けの機種となりました。ちなみに、この頃のPC−98の全機種そうでしたが、過去の資産用としてWindows3.1もインストールされており、初回電源投入時に今後使用するOSを選択できる様になっていました。もちろん選択しなかった方はHDDから自動的に削除され、ライセンス上、使用する事はできません。


 OSにWindows95を搭載し、ノートPC主力シリーズして登場したのが、133MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Na13、120MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Na12、90MHz版Pentiumを搭載したPC-9821Na9です。全機種にメモリ16MB、4倍速CDドライブ、TFTカラー液晶を搭載し、モデルによって当時の最高峰である12.1インチ、800×600ドット搭載タイプ、10.4インチ、800×600ドット搭載タイプがありました。また、当時はTFTカラー液晶といえば大抵がハイカラー表示のものでしたが、10.4インチ、640×480ドットフルカラー搭載タイプもラインナップされました。ただ、やはりユーザーにとっては640×480ドットは時代遅れであり、画素数の方が好まれた為、640×480ドットフルカラー搭載タイプは注目されなかった様です。現在の98note中古市場では、この頃の機種から大変人気があります。特に12.1インチ、800×600ドット搭載タイプのものは現在でも通用するサイズですし、Pentium133MHzを搭載していれば、Windows95であれば実用性レベルです。これにプラスしてPC−98専用ソフトが動作するのですから、PC−98ファンにとっては手に入れたくなる一品です。