月刊
98パンフレットマガジン

2001年10月,11月号(第四十六,四十七合併号)


懐かしの名機シリーズNo.27(EPSON 98互換機特集 第10回目)


 i386SX(16MHz)を搭載しながら30万円を切る低価格を実現し、コストパフォーマンスに優れたノートパソコンなのがPC-386NWです。
 最大の特徴として、FDDモデルには2基のFDDを搭載していた事で、FDDから直接アプリケーションを起動する事が可能(当時のソフトはHDDは必須ではありませんでした)でした。当時、本家NECの98noteは、1基のFDD+RAMディスク
搭載というものが基本で、この場合、98noteメニューより、一端FDDの内容をRAMディスクにコピーしてから起動するという方式でした。ところが、ゲームソフト等のコピープロテクトが施されているソフトに関してはプロテクトにより使用できないという問題が有りました。この問題をデスクトップ機と同様に2基のFDDを搭載する事で解決し、同価格帯の本家NECの98noteより魅力のあるマシンでした。また、A4ジャストサイズのコンパクトさも特徴でした。ちなみに、拡張インターフェイス(Cバス互換)に98note用のサードパーティー製FM音源機器を接続すれば、FDDを2基搭載したコンパクトDOSゲームマシンにする事も可能でした。


 386SX(25MHz)を搭載して基本性能を向上させ、PC-386NWのコンセプトと新たなUpGradeコンセプトを併せ持った後継機がPC-386NARです。
 最大の特徴は、
386NWと同様にFDDモデルには2基のFDDを搭載し、FDDから直接アプリケーションを起動する事が可能でした。また、モノクロ液晶としては当時最大の10インチを搭載している事でした。
 当時のEPSONはUpGradeコンセプトというキャッチフレーズをEPSON PCの全ラインナップに取り入れ、CPUや拡張ボード、ノートPCであれば液晶画面のアップグレードも可能な様に設計されており、386NARもカラー液晶(TFTorFTN)に換装する事が可能でした。EPSON 98互換機の後期型であり、デザインも人気があった為、386ノートの名機と呼べる機種です。


懐かしの名機シリーズNo.28(98NOTE特集 第10回目)


 主力シリーズになったNrシリーズに、166MHz版MMXPentiumを搭載したPC-9821Nr166、150MHz版MMXPentiumを搭載したPC-9821Nr150が追加された時のパンフレットです。
 今回のラインナップで最大の注目株は、98noteシリーズ最大の画素数(1024×768ドット)&サイズ(13.3インチ)のTFT液晶を搭載したPC-9821Nr166/X30Fがラインナップされた事であり、2001年11月現在、継続販売されている最新の98note(PC-9821Nr300)でさえ800×600ドットの12.1インチ
TFT液晶ですから、最も大きい液晶を搭載した98noteが欲しい場合には必然的にPC-9821Nr166/X30Fを選ぶしか無く、同時に最も入手が困難な98noteと言えるかもしれません。例えば、98ファン(DOSゲームファン)の僕がNr166/X30FでDOSゲームをフルサイズでプレイすれば、とても感動すると思います(笑)。


 2001年11月現在、98ファンがデスクトップとは別に、1台目で無く2台目の98noteとして欲しい候補に挙がると言っても過言でない機種がB5ファイルサイズのコンパクトな98note、AileシリーズのPC-9821La10です。
 Pentium(100MHz)、メモリ16MB、800×600ドットの10.4インチTFT液晶を搭載したLa10/S8が特に人気であり、
PC-9821Nr166/X30Fと同レベルの人気&レア度を誇ります。つまり、1台目の98noteがNr166/X30F、2台目がLa10/S8といった具合が最も人気な所有構成になります。PCカードスロットも2スロット(16bitのみ)搭載されているので、現在のB5ファイルサイズノートPCに音沙汰無い使い勝手を実現(処理速度は除く)できます。


 PC-9821La10の意志を受け継ぎ、A4薄型サイズに少々サイズをアップさせたのが、新AileシリーズのPC-9821Ls150とLs12です。
 Ls150にはMMXPentium(150MHz)、Ls12にはPentium(120MHz)を搭載し、両機種ともメモリを標準で32MB搭載、800×600ドットの12.1インチ液晶を搭載しました。尚、Ls150はTFT、Ls12はDSTNタイプの液晶です。また、携帯型をコンセプトとしている為、CDドライブやFDDはファイルベースと呼ばれる着脱式のものが採用され、背面のIOインターフェイスも同様に着脱式でした。但し、PCカードスロットを2スロット搭載されていたのはいいのですが、この当時のノート型PCとしては残念な事にCardBus対応ではありません(ZVは対応)でした。もし、CardBus対応であれば現在の
A4薄型サイズノートPCとして処理速度も十分に使用可能だったと思われます。さすがにCardBus対応で無いのは現在のPC市場では厳しい(例えばUSBカードも使用不可)ですね。