月刊
98パンフレットマガジン
2001年12月号(第四十八号)
懐かしの名機シリーズNo.29(EPSON 98互換機特集 第11回目)
全モデルに486CPU(SX:25MHz、又はDX2:50MHz)を搭載し、カラー液晶(STNカラー、又はTFTカラー)モデルもラインナップされた新世代ノートパソコン、PC-486NASシリーズです。
最大の特徴は、EPSONのアップグレードコンセプトに則っている事です。例えば、i486SX(25MHz)搭載モデルはi486DX2(50MHz)へアップグレード可能であったり、モノクロ液晶モデルは、STNカラー、又はTFTカラーのどちらにもアップグレード可能です。他にはHDDも内蔵可能であったり、専用拡張カード用スロットがあったり、ノートパソコンとしては柔軟な拡張が可能な機種でした。これがEPSONのアップグレードコンセプトであったという事ですね。
また、一部のモデル以外は2基のFDDを搭載していて、FDDから直接アプリケーションを起動する事が可能(当時のソフトはHDDは必須ではありませんでした)で、FM音源(26K互換)も標準搭載されている為、直ぐにでもDOSゲームを楽しむ事が可能でした。本家NECと比べて、FM音源が標準搭載されているのが最もインパクトが大きかった点とも言えました。ちなみにEPSONファンの間では通称:ナスと呼ばれています(笑)。
前モデルPC-486NASをより低価格にし、基本性能を向上させたのが新世代マルチメディアノートパソコン、PC-486NAUシリーズです。
最大の特徴は、STNカラー液晶搭載モデルで298,000円という、当時のカラー液晶搭載、同等スペックのAT互換機(ノートパソコン)と同一価格帯を実現した事です。本家NECの場合は、PC-9821Ne、Ns、Npシリーズが同等製品と言えますが、高価なTFTカラーモデルしか存在しなく、580,000円から940,000円までの価格設定と非常に高価でした。例え高価なTFTモデルの場合でもPC-486NAUであれば458,000円からと、本家NECよりかなり割安になっています。また、ラインナップもモノクロ液晶、STN液晶、TFT液晶の3大モデルを主軸に、各々にFDDモデル、HDDモデルがあり、CPUもi486SX(33MHz)モデル、IntelDX4(75MHz)モデル(モノクロは無し)の計8モデルが用意され、全モデルFDDを2基搭載し、FM音源(26K互換)も標準搭載されています。EPSONとしては非常に充実したラインナップで、イメージキャラクターにピーター・フランクル(数学博士)を起用する等、EPSONが大々的に力を入れた製品でした。ちなみにEPSONファンの間では通称:ナユと呼ばれています(笑)。
懐かしの名機シリーズNo.30(98NOTE特集 第11回目)
PC-9821Ls12の意志を受け継ぎ、A5ファイルサイズにモデルチェンジさせたのが、新Aileシリーズの廉価モデル、PC-9821La13です。
La13にはPentium(133MHz)を搭載し、800×600ドットの10.4インチTFTカラー液晶を搭載しました。特徴として、最大6時間のバッテリ駆動が可能で本体重量は1.6kgとライトウエイトを実現し、完全に携帯をコンセプトとしている事です。残念なのがMMXPentiumでない事と、Aileシリーズ全般に言える、2スロット搭載しているPCカードスロットがCardBus対応でない(ZVは対応)事です。現在(2001年12月)、La13を現役で使用する場合、Windowsアプリケーションの大部分はMMX拡張命令に対応している為、ノーマルPentiumでは少々処理能力に不満があります。また、廉価モデルという事で、Ls150の用にファイルベースは用意されておらず、CDドライブを使用する場合(必ず使用しますよね)にはPCカードスロットを介して外付けドライブを使用する事になります。この場合も、PCカードスロットがCardBus対応でないと高速タイプのCDドライブが宝の持ち腐れ状態になる可能性もあります。弱点が在りながらも現在でも通用するコンパクトさが目を惹く為、PC-98の中古市場でも人気がある部類に入ります。