きいき
2007. 9.  7
随録(○○がくれた時間!)

久しぶり・・・
天王洲アイルのオフィス街
  タイトルの○○のなかに何が入るでしょう。
映画でニコラス・ケイジ「天使がくれた時間」というのがあった。仕事一途の男が、気がつくと優しいホームパパになり 別の人生を歩いていた夢を見るといものだったと思う。

タイトルを借用しただけであるが、毎日同じことの繰り返しの私の生活で先日、長女に誘われてランチ・クルージング、で東京港をグルッとまわり夕刻から「Cats」を観劇したり非日常の世界を愉しむことが出来た。
まさに私にとって「天使がくれた時間」だったのかもしれない。

以前、Catsを観ないかというmailを貰っていて、いいよと返事をしていた。漠然と冬ごろだろうかと思っていた。
8月18日にランチ・クルージングとセットしたという。

ランチ・クルージング・・・
私たちを待って、出航・・・
私は船に弱い、10年以上も前の話だが健在だった家内とそういう機会があった。
そのときはもっと外洋までだったと思う。私は船酔いする前にお酒で酔っておこうとせっせとワインを傾けた。
ふたつの酔いが重なって何ともしまらなかった。

そんな話をしながら下北沢、渋谷、大崎、天王洲アイルと来た時は出航時刻まであまり残っていなかった。
ついでながら渋谷からりんかい線へ直通は20分間隔、田舎の電車のようだ。取りあえず大崎へ行き始発の電車に乗る。
りんかい線も初めて乗る路線である。
新しい路線は深度の深い地下を通っている、地上まで出るのが大変だ。

天王洲アイルについた、長いエスカレータを乗り継いで外の空気を吸う。
東京モノレールに同名の駅がある。もちろんそちらの方が先に出来たわけであるが、ずっと昔はそんな駅はなかったんだが。
ビジネス街になってしまっている。
京浜運河に架かる品川埠頭橋を渡ったところに発着場があった。

船内は落ち着いた雰囲気・・・
時刻は12時少し前、乗船するとまもなく出航した。
しばらくはランチの方に気を取られどこを走っているのか分からない。
京浜運河を北上し、レーンボーブリッジのところでターンし南下したようだ。クルーの人が「あちらが青海です」と言った。

大井埠頭のクレーンが近未来映画に出てくるロボットのようだ。
波は静かなので揺れは感じない。しかし埠頭などを見ていると津波が押し寄せたときウオーターフロントはひとたまりもないだろうなどと余計な心配をする。
まもなく離陸する飛行機の姿が目に入るようになる。
羽田の近くまで来たようだ。
城南島の少し南、防波堤を過ぎてUターン。

ランチはスタンダードメニューで
イタリアパルマの生ハムとパルミジャーノのカッペリーニ、ポテトサラダ
食前酒
スープ
魚と帆立貝のポワレ、クリートマト、三色オムレツと野菜添え
デザート、コーヒー

そろそろ 接岸の準備・・・
私はシャンパン2杯を頂いていい気分になった。
波が静かで船酔いすることはなく、これはシャンパンの酔いだと納得。

東京港をまわって接岸へ
ターンしてふたたび北に向う。
右手の方に船の科学館が見えてきた。
まもなく海底を走る湾岸線の東京港トンネルの上を通ったようだ。
レインボーブリッジをくぐり、晴海埠頭を右手にふたたびターンして芝浦桟橋あたりが見えてきた。

このころ、乗客はほとんどデッキに出ていた、私たちも展望デッキにあがり潮風にふかれた。
再びレインボーブリッジをくぐり京浜運河に向かう、港南大橋をくぐるためレーダーアンテナが倒されていた。
東海道貨物線を新幹線の車両が走っているのが見える。
まもなく接岸、1時間40分のクルージングが終わった。

羽田空港へ・・・
羽田第1ターミナルビル

5時半からのCatsには3時間以上ある。
天王洲アイル駅に向かいながら、ふと羽田に行ってみようと思った。娘も賛成してくれた。
4月に北九州に行くとき空港に来たが、飛行機を利用するときは出発・到着ロビーと電車の間をまっすぐ歩く。

飛行機を利用しないときでなければターミナルビルなんて上がったりしない。
第一ターミナルビルの展望台に上ってみることにした。
出発ロビーの航空会社のカウンターの前は意外と閑散としている。土曜日なのになぜすいているのだろう。

展望台から・・・
さて、展望台はどこからあがるのだろうか、全くの御のぼりさんである。ショッピングモールにある巨大な吹き抜けを一望するエレベータに乗った。
展望台は幸いこの日は曇りで気温も低く過ごしやすい。

しばらく飛行機の離発着を眺めている。
遠くから単純な動きを何故か食い入るように眺めている。どうしてこういう動きを飽きずに眺めていられるのだろう。

あの巨大なジェット機が小さなおもちゃに見え、列をなして滑走路に向っている。
順番を待って、”よいしょ”と飛び上がる。
ミニチュアの飛行機で遊んでいるような錯覚すら覚える、だからいつまでも眺めていられるのかもしれない。
ターミナル内でお茶を飲んで京急の乗り場へ向った。

「Cats」を・・・
  京急の車内はさすがに空港のターミナル駅を感じさせる。大きなバッグを持った若者たちや、商用で出張のビジネスマン然とした中年男たち。
数年前は私もそういう格好をしたこともあったなぁと思い出す。

品川で山手線に乗換え五反田駅で降りる。
この駅に下り立った記憶はない。

娘は以前にもCatsを観たという。そしてなぜCatsなのか。
中学校の(・・・いまはそのような言葉を使うかどうか分からないが)教師がCatsに熱心で学芸会にそれを演じさせたという。
キャッツ・シアター

出かける前に記憶した地図を引きだしながらキャッツシアターに向う。
それは北品川に向かう道路のいくつかの交差点をまがったところにあった。
劇場に入る、ロビーは若い人たちがあふれんばかりだ、中年の男女もときどき見かける。 私くらいの年代は見当たらない。

座席に座る。
薄暗くてよく分からないが1200の席は埋め通されているようだ。
背後の通路にはこの演目に関するグッヅらしいものが雑然と置かれている。
ステージのまわりにもグッヅが、とても整然ととは言えないが配置されている。このミュージカルの主人公猫たちの住まいがイメージされているようだ。
そのステージを取り囲むように観客席がある。
やがて大音響、スポットライトとともにCatsが現れた。
インターミッションを含め2時間のミュージカルがはじまった。
わたしもそれなりに愉しむことが出来た。


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