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商品名
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「AV女優 2 おんなのこ」 |
作者
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永沢光雄 |
出版社
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文春文庫 |
定価
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771円+税 |
購入場所等
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星野書店にて購入
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コメント
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「わたしは なぜAV女優になったのか」
いわゆる家庭用ビデオデッキが発売されて20数年。
黎明期においてその普及に貢献したのは裏ビデオを含むアダルトビデオであった事は
疑うことの無い事実である。
ある本によれば あの裏ビデオ『洗濯屋ケンちゃん』が世に出たのが1982年。一般のアダルトビデオ(以下AV)が発売され始めたのも同時期とすると 既にこの分野の歴史も20年に及ぶ事になる。するとこの20年の間、主役であるAV女優はいったいどれだけ世に輩出されてきたのだろうか?
1000人?5000人?10000人?....
本書はそんなAV女優の実像〜特にプライベート面に迫った36人のインタビュー集である。
私は前作「AV女優」(文春文庫)も3年前にも読んだのだが 著者・永沢氏の奇をてらわない実直な文章に魅了され 読了前の興味本位なスケベ心は粉々にうち砕かれてしまった。
もちろん このインタビューがAV専門誌(「ビデオ・ザ・ワールド」)に掲載されたものである為プライベートにおけるSEXの話は多い。初体験の話は言うに及ばす、過去、現在の彼の話、男性経験の数、SEXそのものの行為について...。だが それと共に語られる家族との事、将来の夢、そして現在の心境などの方が男の私には非常に興味深く感じられたのである。
ただ この頃の女性たちの発言には驚かされるばかり。
インタビューに登場する彼女達ほとんどが援助交際経験者で且つドラッグにも当たり前のように手を出している。これにはなんとも呆れるばかりだ。彼女達が昔、いわゆる不良だったからと言えばそれまでだが そこに至る経緯はごく普通だったりするから 空恐ろしい。
前作のインタビューでは レイプや親から虐待を受けていたなどの特殊な事情も垣間見られたが、今作でもそのような事情もあるものの 育った環境もごく普通の家庭で、子供の頃から恵まれていてというのも少なくない。確かに借金などの経済的要因は大きいが、そこに彼女達生来の見栄っ張り、芸能界への憧れ、SEXへの興味が他の人より”ちょっとだけ”強かった事がAV出演へと繋がっているような気がする。
(語弊はあるが)言い換えれば 今の時代、何かきっかけさえ有れば誰でもAVに出る可能性はあるということなのだろうか。それだけにこの本は女性にこそ読んで頂きたいお勧めの本である。
本書では インタビューの最後に永沢氏が彼女達にこう質問している。
「3年後の自分は何をしていると思いますか?」
インタビューから3年を過ぎた今、彼女たちは
自ら思い描いた姿になっているだろうか?
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