狛犬は、神社社殿前、あるいは参道などに置かれた一対の獅子に似た像で、日本における想像上の守護獣であり、高麗犬、胡麻犬
とも標記され、邪気を払い、神域を守る結界の番人としての役割を持っている。一対の関係性は雄雌が代表
的で、一方が口を開けた「阿形(あぎょう)」、他方が口を閉じた「吽形(うぎょう)」のものが一般的であるが、
両方とも口の開いた像や、一方に角を生やす象にしたものもある。その起源は、エジプトやインドにあると
され、日本へはシルクロードを経由して中国唐時代のものが伝わったとされる。
1 狛犬の歴史と由来
古代インドで仏像の両脇にライオンの像を置いた習慣が、中国・朝鮮半島(高麗)を経て日本に伝わっ
たとされる。平安時代までは木製で屋内に置かれていたが、後に屋外へ設置されるようになり、雨風に強
い石造りが主流となったとされる。また鎌倉時代には宋風のものが伝わり、この形式は唐獅子と呼ばれて
いる。
狛犬と獅子は別の動物として区別されていたようで、もともとは別々の動物だったとされる。古い時代
の記録によると
獅子:口を開けた「阿形」の動物で、ライオンがモデル。角はない。
狛犬:口を閉じた「吽形」の動物で、一角獣のような角を1本持つ。
つまり、「阿形=獅子」「吽形=狛犬」という区別があり、二体は厳密には違う動物だったとされる。
2 シーサーとの関連
沖縄の家の屋根や門の上に獅子の像を見かけることがある。これが「シーサー」である。シーサーは、
魔除けや厄除けの役割を持ち、家や建物を守るために設置されるとされ、沖縄の伝統的なシンボルである。
その起源は中国から伝わった「石獅(しし)」にあるとされ、日本の狛犬とも深い関係がある。
シーサーの歴史は古く、14世紀頃の琉球王国時代に中国から伝わったとされている。「シーサー」とい
う名称は、獅子(しし)を沖縄方言で発音したものが変化したもので、もともとは宮廷や寺院の門前に置か
れることが多く、権力者や貴族たちが災厄を防ぐために設置していた。その後、18世紀頃から一般の民
家にも広がり、屋根の上や門の前に設置されるようになったとされる。