第3日目


1997年11月01日

高松 7:27 (しまんと 1号) 9:42 高知 9:47 (あしずり 3号) 11:57 宿毛
宿毛駅前 12:35 (高知県交通バス) 13:27 竜串 15:08 (高知県交通バス)
15:29 土佐清水BC 16:19 (高知県交通バス) 16:53 足摺岬 17:36
(高知西南交通バス) 19:17 中村駅前通


しまんと1号/あしずり3号

「あしずり号」

特急「あしずり」号


 朝7時過ぎに高松駅へ行く。岡山へ行く「マリンライナー」は随分と活気があるが、ホームに停車中の「いしづち」,「しまんと」,「うずしお」はがらがらであった。「しまんと1号」は2両編成で禁煙自由席は1号車に32席しかないが、難なくGetできる。
 7:22に「いしづち5号」が発車。その5分後の7:27 に「しまんと1号」は高知へ向けて発車した。次の停車駅、坂出で大挙して乗客が乗り込み、2両しかない車内はほぼ満席状態となる。途中駅の坂出で何故?とも思うが、寝台特急「瀬戸」から乗り継ぎの乗客らしい。
 7:52 に多度津に到着する。ふと隣のホームを見ると、高松で5分前に発車したはずの「いしづち5号」が停車していた。あらためて時刻表を見て理解したが、岡山からやって来る「しおかぜ1号」を連結するために多度津で8分停車しているのであった。そのため高松を5分後に発車した「しまんと1号」は多度津で追いつき、先に発車するのであった。ミステリー小説のトリックに使えそうなダイヤである。
 多度津からは立ち客も出る状態となり土讃線に入る。新鋭の2000系気動車は快調に飛ばし、阿波池田駅に到着した。構内には今日から走る「おおぼけトロッコ号」の車両も留置されていた。予土線に今夏から投入された新型トロッコ車両で、国鉄色のキハ18 5系が投入されていた。国鉄色のキハ185は絶滅したと思っていたが、まだ走っていたのね。

 昨日普通列車から眺めた大歩危・小歩危峡も一気に走り去る。この区間では自動放送による観光案内が流れた。太田口あたりまでは吉野川に沿って走るがそこを過ぎると山の中を走行する。土佐山田で高知平野に出てあとは一気に高知へ向けて疾走する。
 9:42 高知駅1番線に到着。5分接続で「あしずり3号」に乗車するが、跨線橋を渡った3番線からの発車であった。こちらは3両編成で、自由席を2両連結しているので、余裕で座れた。9:47 高知を定刻に発車、一路宿毛へ向かう。
 窪川から土佐くろしお鉄道線を走行し中村へ向かう。今日は天気が良くぽかぽか陽気であるのでいつの間にか寝てしまい、気がついたら中村であった。中村から先、宿毛までの区間は、10月1日に開業した新線区間である。
 ワクワクと楽しみであるが、上り特急列車待ち合わせのため8分停車する。はやる気持ちを抑えられているみたいである。11:36、中村を発車。いよいよ新線区間に突入する。新線区間は高架橋とトンネル区間がほとんであり、踏切の数は確認しただけで2カ所しかないようである。列車は120km/hの高速で、途中平田に停車して宿毛まで一気に走る。中村からわずか17分で宿毛についてしまった。あっけない初乗りである。

竜串海岸/足摺岬

Skumo St.

土佐くろしお鉄道・宿毛駅

tatukusi

竜串海岸

 宿毛駅は、高架の行き止まり方式の駅であった。この先に線路を延長する際は、駅舎を壊さないと行けない構造である。切符売り場をのぞくと、開業記念入場券や硬券乗車券を販売していたので衝動的に購入する。
 宿毛駅は宿毛の市街地から外れた場所に建設されたようで、駅周辺は寂しいところであったが、何故かコンビニがあったので弁当を購入し昼食とする。ちなみに、市の中心部へはバスで約5分程度かかるようである。
 宿毛からは土佐清水・足摺岬や宇和島へ行くバスが出ている。これらの路線は宿毛線開業後、宿毛駅を経由するようになったので土佐くろしお鉄道とバスを乗り継ぐ観光客には便利である。

 次の足摺岬行きは12:35である。どんなバスが来るか楽しみにしていたら、中乗り前降りの都市部でよく見かける中型路線バスでガッカリ・・・。観光地への足なのに、普段乗車するような通勤型バスに乗車するとは思いもしなかった。
 さて、乗車したバスは途中、福良から狭い山道の県道を通って土佐清水へ向かうバスであった。うねうねとして狭い道をバスは縫うように走る。これでは、車体が大きい観光タイプのバスは運転できない!
 山を越え、国道321号線に戻るとしばらく海岸沿いの風光明媚な区間を走る。しばらく海岸沿いを走り、13:25頃竜串に到着。ここで下車する。
 竜串は波と風によって浸食された不思議な形の岩がごろごろある場所で、「見残し海岸」という観光ポイントもある。
 見残し海岸へはグラスボートで行くとガイドブックに書かれているので、グラスボート乗り場へ向かう。「グラスボート」って何?と思っていたが、乗船してみて納得した。船の底がガラス張りになっていて、海の底をのぞき込むことが出来るのであった。途中、きれいな珊瑚や熱帯魚の姿を眺めながら見残し海岸へ向かう。約30分かかって見残し海岸に到着。遊歩道を1周しようとすると約50分かかるらしいが、船は15分程で引き返すと言う。「次の船は?」と尋ねると「乗客がある程度集まらないと船を出さないのでわかりませんが、一応1時間後には迎えに来ます」と言う。下手をしたら次のバスに乗り遅れるかもしれない。
 1周するのはあきらめて、船着き場の近くを探索する。この付近でも充分満喫できた。同じ船で竜串へ戻る。湾内を走行しているときはそうでもないが、外洋と接する区間に来ると船が左右によく揺れる。帰りは10分ほどで到着。続いて海中展望台にはいる。

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足摺岬の灯台

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足摺岬灯台付近から眺める夕日

 次は足摺岬へ向かう。ちょうど、土佐清水行きのバスが来たので土佐清水まで先行する。土佐清水から甲浦・大阪へ室戸汽船のフェリーが出ているのだが、町中に「廃止反対!」の看板、横断幕が目に付く。土佐清水のバスセンターに15:30頃到着。約50分の休息となる。
 次に足摺岬へ行くバスは、16:16発の東海岸まわりと16:19発の西海岸まわりのバスがある。帰りのバスが西海岸まわりなので、東海岸まわりのバスに乗る。このバスも中乗り前降りの一般路線バスタイプであった。
 観光地へ向かう主要道なので快適な道だなあと思ったら突然、断崖絶壁を縫うように走る道路に変わった。対向車がくるとすれ違うのも苦労するような道であり、スリルに富んだ道中となった。約35分程で足摺岬に到着。

 岬の展望台に急ぐ。ちょうど夕日が沈み始めたところで、きれいな夕焼けが見られた。足摺岬は夕日がダルマのように上下に重なって見える「ダルマ夕日」が有名であるが、気温が高いので、さすがにそれは無理であった。
 17:15、夕日が海に沈んだのを見届けてバスターミナルへ戻る。17:36発の中村行きで中村へ戻る。東海岸まわりの道も負けず劣らず狭くうねうねした道をバスは進んでいく。四国の道は、ずいぶんと悪路が多い印象を受けた。
 ちなみに、土佐清水から足摺岬へ行く道路は3本あり、真ん中に「足摺スカイライン」という有料道路もある。大型観光バスはこの道を利用するので、悪路を体験しないですむが、やはり足摺岬へは悪路を通る路線バスで苦労していかないと、有難みがない気がする。

 バスは快調にナイトドライブし、中村駅前通りに到着。予約していた中村駅前のホテルにチェックインし、町中に食事に出かける。駅から10分ほど歩いた市街地をうろついてみたが、人気がほとんどなく寂しい状態であった。
 のれんが下がっていた四万十料理の店に入り、適当にビールと料理を堪能し、ホテルに戻る。TVではW杯サッカー予選の韓日戦で、日本が韓国に勝ったシーンを何度も放映していた。



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