思いがけない出会いというのは、こうしたものかもしれない。清水きよしさんのマイムを観に行った先で、マイム以外にもクラシックやジャズの演奏が3グループくらいあり、そのうちの一人が清野さんだった。ぎたあ好きにありがちな雰囲気なんだけど、一人黙々と演奏する姿は“ほんとにギターが好きな人なんだなあ〜。”と思わせた。彼の頭にある音がギターを通して身体からあふれ出てくる。プログラムにある名前を頼りにネットで検索すると彼のWEBSITEがあった。
清野拓巳 / Takumi Seino また聞いてみたいなと思ってはいたが、jazz live houseなんて行ったことがないから、なかなか行動に移せない。初めての出会いから1年と少し経って「生徒を連れて行かなければならない・・・」という大義名分を作って、思い切ってliveへ出向いた。 jazzに疎い私にも、ジャンルを越えて音楽を演奏する気持は伝わってくる。熱い想いがこもっている。音もていねいだし、きれい。私はjazzを理解しているとは言えないけど、「理解」なんか必要ないのじゃないか。「感じる」ということで十分なのではないか。 ここで、ある抽象画を見た人の感想を思い出した。 清野さんの演奏は抽象画という感じだった。私の知ってる音楽ではなかったけど、私の耳が惹きつけられていくのを感じた。 この日にもらった予定表に[improvisation]と書いてある。これは即興という意味じゃないですか・・・。Guitar soloだし。なんとも興味を惹かれる。というわけで、またしても出かけてしまった私だった。 即興演奏をする清野さんは子どもの頃の娘の姿と重なって見えた。『お絵かき』が大好きな娘はいつも裏の白い紙になんか描いて遊んでいたなあ。ギターから出る音に触発されてイメージが湧き、音を出していくという即興演奏を聴いていると、楽しそうに『音あそび』をする清野さんが少年に見えた。
2003.3.1.
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