清野拓巳 (Seino Takumi)

Jazz Guitarist
1968-

七色の虹

思いがけない出会いというのは、こうしたものかもしれない。清水きよしさんのマイムを観に行った先で、マイム以外にもクラシックやジャズの演奏が3グループくらいあり、そのうちの一人が清野さんだった。ぎたあ好きにありがちな雰囲気なんだけど、一人黙々と演奏する姿は“ほんとにギターが好きな人なんだなあ〜。”と思わせた。彼の頭にある音がギターを通して身体からあふれ出てくる。プログラムにある名前を頼りにネットで検索すると彼のWEBSITEがあった。 清野拓巳 / Takumi Seino

また聞いてみたいなと思ってはいたが、jazz live houseなんて行ったことがないから、なかなか行動に移せない。初めての出会いから1年と少し経って「生徒を連れて行かなければならない・・・」という大義名分を作って、思い切ってliveへ出向いた。

jazzに疎い私にも、ジャンルを越えて音楽を演奏する気持は伝わってくる。熱い想いがこもっている。音もていねいだし、きれい。私はjazzを理解しているとは言えないけど、「理解」なんか必要ないのじゃないか。「感じる」ということで十分なのではないか。

ここで、ある抽象画を見た人の感想を思い出した。
  「私、こういうのん、わからへんわ・・・」
わかる・わからないという次元ではないだろうと思って相づちが打てなかった。『何か面白いとか感じませんか?色がきれいとか感じることがありませんか?』って本当は言いたかった。

清野さんの演奏は抽象画という感じだった。私の知ってる音楽ではなかったけど、私の耳が惹きつけられていくのを感じた。 この日にもらった予定表に[improvisation]と書いてある。これは即興という意味じゃないですか・・・。Guitar soloだし。なんとも興味を惹かれる。というわけで、またしても出かけてしまった私だった。

即興演奏をする清野さんは子どもの頃の娘の姿と重なって見えた。『お絵かき』が大好きな娘はいつも裏の白い紙になんか描いて遊んでいたなあ。ギターから出る音に触発されてイメージが湧き、音を出していくという即興演奏を聴いていると、楽しそうに『音あそび』をする清野さんが少年に見えた。


2001.11.11. 水野バレエ学園でのホームコンサートにて初めて演奏を聴く。
2003.1.26. Big Appleにて"Drops Trio"の演奏を聴く。
2003.2.7. Big Appleにてsoloの"Improvisation"(即興演奏)を聴く。


2003.3.1.