アトラクションキャスト、最初の研修

・初出勤と研修1日目
最初の出勤は3月2日。オリエンタルランド正門から入る。所属は違うが4日前まで普通に出入りしていた場所である。正門で警備さんに名前を言い、仮の通行証を発行してもらって中に入る。入社手続きの場所の看板は何度も見ている。指定の場所へは一番乗り! 会場の人から「フォトワークスの方ですね?」と言われる。名乗る前だが、私は年齢のこともあるので他の人と区別しやすいから事前に参加者名簿を見ていたらすぐわかるだろう、と思った。集まったのは他に3人。実は全員が元フォトワークス社員であった。「フォトワークスの方」、と聞かれるのは当然であった。移籍は合計4人なのかな? 多いのか少ないのか・・・? 移籍者募集の際の説明会は数回あり、私の回には15人くらいいた。なので、多くの人が説明を受けたはず。とはいえ、実際に何人が応募し、そのうち何人が採用されたかは全くわからない。この日以外に入社の人もいたかもしれないし・・・。
最初の教育、机上の説明中心・・・。The 4 Keysの話もあったと思う。映像も使っての説明でわかりやすい。すぐに半日が過ぎてちょっと早めの昼食、そして後半は他の人も合流して計9人になる。こちらもビデオを交えた研修、そしてパーク見学。2グループに分かれ、歩いて進む。キャスト移動用のバスを使うかな? と思ったら乗り場を過ぎてそのままスプラッシュ・マウンテン裏の方向へ。ここから? と思ったらさらに進んでディズニーシー方向へ。パークへの入り口の前に立ち、「ここはどこ?」の質問に、私は即座に「マジックランプシアターとカルーセルの間」と答える。もちろん正解。前の業務でパークの外を車で回っているので、パークの外周はだいたいわかる。ここは初めてではあるけど、それでも位置は把握できる。みんな驚いていていたようだ。そこからアラビアンコーストに入ってパーク内の観察。この場所らしいものは? など。2人組になって歩いて一回りして戻って意見交換。パークが如何に細かく設定され、作りこまれているか、を改めて確認する。
続いてマーメイドラグーンへ。ここはシアターの常連になっていた。トリトン王の城の前で「水が流れているのは?」。これはお城が今まさに水の中から浮上してきてきたから。なので、足元の通路も光る飾りでキラキラしている。中に入り、ゲストが多いので奥まで進まず通路付近で再び細かく作りこまれていることを観察、意見交換。ここで退出。ここ、以前から、通って見たかった場所である。その先、バックステージで見覚えのあるキャストさんもいるが・・・気が付かなかったようだ。声をかけられたら面白かったのだが。
ここからバスで戻る。ディズニーシーのバックステージにある港の横を抜けるとき、丁度ミッキー達が船から降りて戻るところ。ミッキーたちが手を振ってくれる。バックステージのミッキー、私は良く見ているけど、同行の4人はそうではないようで、手を振ってよいのか迷っているようだ。私はいつものように軽く手を振る。
パークから戻って更に講義形式での教育が続く。最後に映像でミッキーが出てきて、ミッキーからのプレゼント、と言う形でネームプレート、そして通行証を受け取る。演出がすごい。そして嬉しい。これで私も晴れてキャストである。しかもオリエンタルランドの、本物のアトラクションキャストである。


・研修 2日目
2日目の研修はそれから5日後。今度は私服ではなく、ゲストコントロールのコスチュームでの参加である。初日の研修後に指示があり、借りておいた。研修でだけ、1日しか着ないのだけど、このコスチュームはもちろん初めて。トレンチコートもある。これは着なかったけど。(ゲストコントロールのコスチューム、後に別の業務で着ることもあった・・・)
教育の内容、より実践的になる。参加は15人。参加者の所属はバラバラ。同僚だから? 会話も少なくない。ここで意外なことが。同じテーブルの一人、元自衛官なのだそうだ。見た目はごく普通の若い女性なのだが・・・。みんなびっくり。
教室での研修だけど、パークで実際にキャストを演じる実技的なものがあった。くじ引き的に引いたカードにある場面、これを小グループ3人で演じる。場面や設定が数行で記述されているが、それを数分間考えてみんなの前で演じる。いきなり無茶? でも、これはパークに入ったなら否応なく行わなくてはならないことである。それも講師/同僚ではなく、お客様の前で演じるのである。お客様もキャストには期待している。大事なことは、これは中学校の文化祭でも何でもない、自分で選んだ職場なのである。そして、次の勤務から、まさに舞台に立たなくてはならないのである。だから、みんな真剣に演じている。各グループなかなかのレベルである。でも、参加者の中にはバックステージ勤務になる人もいる。ちょっと厳しいかも? と思ってしまった。
一つ覚えている題材。それは、ディズニー以外のキャラクターをイメージしたお客様を見かけたら? であった。他のグループが引いたのだけど、実際、これと似た状況に遭遇することがあり、そのグループの対応が大いに参考になった。

続いて食事等も挟んでの休息時間。私は初日に提出できなかった書類を所定部署に持って行ったので時間はぎりぎりだった。
午後はパーク内に入る。1日目にも入ったけど今回はコスチュームを着ている。お客様からはキャストにしか見えない。実際にキャストなんだけど・・・。最初は迷子センターや救護センターなどの場所の確認など。見学的な要素もあるけど、ここは実際に案内する可能性の高い場所である。続いて実地研修。私のグループはファンタジーランドにゆき、15分間の実地研修となった。コスチュームを着ているけど、中身はキャストにまだなっていない研修中の身・・・なんて、お客様にはわからない。そして、お客様がキャストに求めることは全く一緒。お客様からいろいろ聞かれることもあり、(研修以外の)他のキャストにも助けられながら対応する。バースデーシールも2枚書く。今までのオンステージ勤務では1年で数枚・・・。ペースが速いことを実感する。
この15分で感じたこと・・・ものすごく密度が濃い、ということである。私はオンステージキャストの経験はあるが、主にスプラッシュ・マウンテンの洞窟の中。井の中と全く同じであった。そこでもお客様から問い合わせはある。が、それはあくまでも写真中心であり、またお客様は次のアトラクションに向かおうと心が動いていたりする。問い合わせは限定的で少ない。だけどここでは、これまでとは頻度が、内容が、全く違う。このファンタジーランド、まさに私の職場であるが、ここでの15分の経験はスプラッシュ・マウンテンの経験の半年分に相当するのでは? と思えてしまった。こんなところで働くのか・・・気が重くなった? とは言わないにしても、多少不安になった。
研修後・・・ゲストコントロールのコスチューム一式を全て返し、ファンタジーランドのコスチューム一式を借りる。
次から、いよいよアトラクションキャスト、OJTが始まる。


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