ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 通信手段としてのファックス -待機電力と紙の消費-

1999年4月2日
   3月31日付けで大学を退学することができまして(^^;)、昨日はひのでやエコライフ研究所の実質的な仕事始めの日でした。しばらく前からお世話になっている所へ挨拶はがきを出していたのですが、その中に電話番号と並べてファックスありと書いてしまっていました。実はファックスが持っていないんですが、誰かファックスを送ってくるような人がいたら買ってこようとのんびり構えていました。
 するといきなり初日からファックスらしき「ピーひょろろ」という音がなる電話がかかってくるではありませんか。仕方なしに四条寺町にでかけて購入してくることにしました。まあいつかは買わなくてはいけないものでしょうからね。しかし何かモノを買うということ、特に家電製品を購入するという時には、最大限環境問題に気をつけなくてはいけないというのが鉄則です。環境問題に関して考えられるのは、次の2点でしょうかね。  ファックスというのは常に電源を入れておかないといけない機器ですから、使っている時の電力消費量よりは待機中の電力のほうがはるかに大きくなります。しかし幸いに、温暖化防止京都会議以降、待機電力のことがやかましく言われるようになって、最近は特に省エネ化が進んでいます。今回購入した一番安いタイプはちゃんと「省エネ型」で、待機消費電力4ワットと記載されていました。同じ機種であれば、機能がたくさんついているほどエネルギー消費量は多いようです。特にほとんどの機種がコードレス型になっており、これは充電をするためにかなり待機電力が大きくなっているようです。
 たかが4ワットですが、24時間つけていますから、1日では約100ワット時、1ヶ月では3キロワット時にもなります。現在の我が研究所の消費電力は1ヶ月あたり100キロワット時程度ですから、ファックスを導入しただけで3%も増加してしまうことになるんですね。1キロワット時25円として、75円程度が余計にかかってしまいます。逆に考えると、もしこの倍の待機電力の製品を買っていたら6%も増加してしまったところを、単に「いいもの」を選んだために3%も減らすことができた、ということでしょう。ふつうは生活を見直しての3%削減なんてかなり大変なんですが、なんともらくちんな省エネです。
 こうした待機電力が大きな影響を与える電気機器としては、ビデオ、電子レンジ、テレビ、ラジカセ(ステレオ)などいろいろあります。それぞれ数ワットから多いものでは20ワット近くも消費してしまいます。時計が内蔵されていたり、タイマー機能があったりと、なかなか電源を切りにくいものですから、購入の時には気をつけたいものです。あと気をつけたら楽に削減できるのがエアコンの待機電力。これは春や秋は使っていないでようから、コンセントから抜いておきましょう。こうした待機電力で家庭の電力消費の1割以上が占められているという話です。

 続いての問題が、果たして気楽にファックスなど使ってしまっていいのだろうかという点。最近は普通紙ファックスなども出てきて、紙をリサイクルできるようにもなってきたようですが、たいていは感熱紙タイプで「用が済んだらゴミ箱行き」になる紙です。手紙なら紙を送るのですから1枚で済むところが、ファックスでは送信元に紙は残って、送り先にもう一枚余計に出て来るんですよね。その重さが、封筒の重さを越えていたらファックスのほうが悪いってことになりそうですね。ごみに関しては。
 ただ、送っているのは情報だけですから、わざわざ郵便屋さんにバイクを走らせてもらう必要がないという点では、エネルギー消費量としては悪くはないのかもしれません。
 もちろん、無駄なモノは送らないのが一番いいんでしょうけれどもね。

 というわけで、初めてついたファックスに喜んでいたところ、先ほどの再送でしょうか、ファックスが送られてきました。「ひのでやエコライフ研究所設立おめでとう」のファックス。いやあ、うれしかったです。
 
 

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