ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 人間の出している二酸化炭素はどのくらい?

1999年4月24日
 世界中で最も繁殖している生物は何かご存じでしょうか。

 北極や南極の近くから、赤道直下まで、どこでも生息しているのは人間だけだそうです。もちろんバクテリアの中にはもっと過酷な条件で生きている奴もいますが、個別のバクテリアを見ると分布はかなり限られています。
 また、これも大学に入学した年に教えてもらったのですが、地球上に生息する動物を集めてみると、その中で最も「重たい(合計の重量が大きい)」のは人間だそうです。次がシロアリ類かミミズ類だったかな。地球を破壊する力としては当然のことながら人間以上の悪行を働く生物はいませんが、生物体としてもまさに地球上に君臨している生物となっているのです。人間が生きるための食料供給だって、かなり地球にとっては負担になっています。

 人間が1日に必要とされるエネルギー量をおよそ2000キロカロリーとして考えると、およそ1日に140g程度の二酸化炭素を排出していることになります。世界人口を60億人とすると、3億トン程度が排出されることになります。これは人工的な二酸化炭素排出量の5%弱程度になります。

 日本で考えたほうがいいでしょうね。国内の二酸化炭素排出量は約3.4億トン、息で排出されるのが600万トン程度ですから、息で排出される(生きていくために生物的に必要なエネルギーをつくるための)二酸化炭素の50倍も排出していることになります。

 地球上で最も大きな重量となっている上に、その50倍もの二酸化炭素を全員が出していたら、それこそ地球は大変なことになるでしょうね。

 ちなみに国際交渉でも国内対策でも、人が息で排出する二酸化炭素については削減の議論がされていませんが、これは人間が食べる食料に含まれる炭素というのは、畑で大気中から固定されたものであるから計算に入れていないためです。息をしなければ削減になる、なんて物騒な話はしないでくださいね。
 

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