京都市では昨年から、廃食油からディーゼル油を作って車を動かしています。こうした環境配慮型の製品というのは一般的に一部だけ導入してわいわい騒ぐものですが、ごみ収集車の全部と、一部のバスがすでに、この廃油ディーゼルで動いているという話です。といっても車をいじっているわけではなく、ディーゼル車はそのまま使えるということです。
廃食油と軽油は比較的性質が似ているもので、技術的にはそれほど難しいことではなく、全国各地で廃油を集めてディーゼル油を作る工場ができているようです。まあそのまま濾過して使うわけではなく、一般にはちょっと粘度の関係からメタノールを加えて反応させているようです。廃食油の用途が今までは飼料やせっけんなどに限られていて、回収されたものが有効活用できないことが多かった中で、「いくら集めても有効利用できる」というのは廃油リサイクルにとっても朗報だと思います。これだけ実績があると問題がないようにも思えるのですが、どうも内実はちょっと難しいこともあるようです。京都市で走らせているごみ収集車の故障率が非常に高くなり、予備の車をフル稼働させてかろうじて車の数を確保できている程度らしいです。修理場はいつも満杯だとか。
これも、廃食油に添加されているメタノールが腐食性だかららしいですね。また、メタノールが中途半端に酸化されると、ホルムアルデヒドが生成してしまい、かなりの排気ガス公害になることも指摘されています。ともかく、運転手にも臭いが変だというので人気がないらしいですね。京都市の方のお話でしたが、なかなか「環境配慮型自動車」には苦労しているようでした。今のところ最も実用的なのは「天然ガス自動車」で、費用は倍程度かかってしまいますが、運転手の反応もいいようです。逆に電気自動車やハイブリッド車などは、なかなか運転の感覚が違ってしっくりこないそうです。
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