環境庁から1997年度の日本国内の二酸化炭素排出量が発表になりました。CO2量で12億3100万トン(炭素換算で3億3600万トン)で、前年に比べて0.4%の減少となりました。部門別にみると、産業部門と民生部門が減少になっている一方で、運輸部門は依然として伸びているようです。
しかし、1990年以降しばらく大きな伸びがあったため、前年に比べて減少しているとはいえ、それでも1990年レベルから比べると9.4%と大きく排出量が増えてしまっているのには変わりありません。特に運輸部門は1990年に比べて23%も増えてしまっています。
まあ伸びが抑えられたのはいいことでしょうが、温暖化防止京都会議で決められた目標を達成するのには、これから2010年までに16%分も減らす必要があり、なかなか大変かもしれません。環境庁は今回削減ができた理由として、省エネが徹底されてきた効果があがっているなどと説明しているようです。まあ否定はしませんが、大部分は不況のおかげでしょう。鉄鋼・セメント・石油化学などの製造量が下がれば、それは二酸化炭素の発生も抑えられるというものです。
不思議なのは、いままで不況と関係なく伸び続けてきた家庭の消費が下がっている点です。一つ考えられるのは、夏が比較的涼しく、電力消費量が下がっていたためという説明ですが、実際のところはよくわかりません。
なお、ちなみに1998年以降の数値については確定は先になりますが、石油消費量などの月間報告などを追っていくと、どうも1998年度には4%程度の削減も起こりそうだという話が伝わってきています。そりゃGNPがマイナス成長ですからね。かなりの削減が期待できる(?)かもしれません。
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