洗濯機には全自動と、二槽式の2種類が世の中に出回っています。店頭で販売されているものの大部分はすでに全自動になっており、二槽式は隅のほうでひっそりと売られており、あまり宣伝もされていません。省エネ型として宣伝されているものも圧倒的に全自動のものばかりです。まあ二槽式は非常に構造が単純であるために、省エネを工夫する部分がないということもあるかもしれませんけれどもね。幸い、私の下宿には共同利用用として、二槽式と全自動と2種類の洗濯機が設置してあり、自由に選んで使えるようになっています。電力計を使って、洗濯をするのにどれだけ電気を使うものなのか比較調査を行いました。
実験目的:二槽式洗濯機と全自動洗濯機の消費電力量について比較を行う。
洗濯物サンプル:
およそ4kgの洗濯物。(※1)
実験装置:
東芝製 GInga2.2 VH-1500 (二槽式)
東芝製 AW-40S3 4.0 (全自動)
測定器: Namikoshi.E製 積算電力計 W723Y
実験方法:
洗濯物を洗濯機に突っ込み、洗濯をする。その間に消費された電力量を測定する。なお、二槽式洗濯機の場合には2kgしか洗濯できないために、2回に分けて洗濯機を回す。
洗濯時間の結果:
全自動の場合には、「汚れ物」「普通」「スピード」の選択ができるようになっており、今回は「普通」の設定とした。
二槽式の場合には、洗い、脱水ともに、時間設定がタイマーでできる。なお二槽式の場合には2回洗濯をすることになり、表には1回分の時間を記した。
全自動 二槽式 洗い 13分 5分脱水 2分 1分すすぎ(1回目) 2分 1分脱水 2分 1分すすぎ(2回目) 2分 1分脱水 2分 1分ふつうの人がどの程度洗濯機を回すのかよくわからないが、ふだんは二槽式の洗濯機で右のような時間で洗濯を私はしている。全自動の「洗い」時間が非常に長いのが気になる。標準設定を選択する人は多いと考えられ、「きれいに落ちる」より「省エネ」を重視したあたりで、適切な時間を設定してもらえたら望ましいと思う。
消費電力の結果:
全自動(4kg)と二槽式(2.2kg)では1回で洗濯できる容量が異なるために、洗いでも脱水でも全自動のほうが消費電力は大きかった。特に、全自動の脱水はかなり電気を消費している。
全自動 二槽式 洗い・すすぎ w 230 180 脱水 w 270 100 消費電力量の結果
4kgの洗濯物を洗濯した結果を以下に示す。
全自動 二槽式 消費電力量 wh 103 50 二槽式は、2回に分けた分の合計をだしている。この結果を見ると、全自動洗濯機のほうが消費電力が多いことが分かる。
全自動洗濯機にはもう少しがんばってもらいたいところである(単に時間設定を短くすればいいだけかもしれないが)。
考察
要するに洗いやすすぎの時間をどれだけとるのか、といった設定が大きく関わってくることとなり、全自動の時間設定が長すぎるということかもしれない。
洗濯機の場合には「どれだけ汚れが落ちているのか」が評価基準となり、洗濯時間が大きく関わることになると考えられるが、この点に関しては今回は評価しきれなかった。私が「きれい好き」でない点もあるが、そんなに気になる違いは見られなかった。また、全自動のメリットは、手間をかけずに洗濯が完了するということであるが、今回生まれて始めてまともな全自動洗濯機を使い、たしかに便利だと感じた。始めて使うこともあり、時々中を開けながらちゃんと洗濯物が回っているのか、泡立っているのか気になって仕方なかったが、次回以降は信頼して使ってもいいようである。
ただ時間に関しては、また改めて述べるが、二槽式洗濯機を使った「2回分平行洗濯法」のほうが時間が短くなっているし、「働いたな」という実感がわく。いわば、自動車のマニュアルとオートマの違いのようなものであろうか、「今日は洗濯物の汚れが多いな」という時には、少し時間を長くするなど、細かい配慮がきくのが二槽式の使っていてあきないところである。
※1:当然、ひとり生活でこんなにたくさんの洗濯物をためるのには時間がかかります。1人生活者が洗濯する方法は、少量ずつ頻繁に洗濯をする方法と、溜めておいてまとめて洗濯する、という2種類の方法がありますが、私は後者の手法を使っています。なかなか言いにくいことですが、まあその、いわゆるところですが、洗濯物を2週間くらいは溜めていると思います。
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