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バヤデルカ:杉山聡美、大野晃弘 (2008.9.8)
このバヤデルカのパ・ド・ドゥの映像は、1993年頃、「バレエ誕生」というテレビ番組で放送されたものです。古い映像ですが、改めて見て、とても良かった。
ヴァルナ国際バレエ・コンクールの銀賞という輝かしい経歴を持ち、当時から法村友井バレエ団のプリマとして活躍していた杉山聡美さんですが、舞台とはかってが違うテレビ用の録画のためか、出だし、やや硬さが感じられました。表情は強ばっていたし、パートナーに掴まって足を高く上げたポーズでも、腕がギクギクゆれてバランスに不安が感じられました。でも、パートナーの大野晃弘さんの優しいリードに促されて、アダージョ中盤から徐々に調子を上げてきたようです。
杉山さんは、踊るまえのインタビューで中学時代に背がどんどん伸びたのが嫌だったと言っていましたが、贅沢な悩み。長身でスラッとした日本人離れした体型はソロの踊りでは、とてもよく映えますし、パ・ド・ドゥのアダージョのアラベスクも華麗です。ただ、アダージョではパートナーを撰ぶかもしれません。パートナーの大野晃弘さんは決して背が低くはないのですが、トゥで立つと背の高さを越えてしまう長身の杉山さんを支えたり、リフトしたりするとき、やや苦労しているように見えました。でも、彼が踊る前の「女性のデリケートに支えるよう心掛けたい」という言葉に、女性へのいたわりの気持ちを感じましたが、踊りにも、それが現れていました。アダージョでは、女性は男性の助けがなければ、何もできない。男性の的確なサポートがあってこそ、女性は自らの技術を謳歌出きるもの。、ヴァルナ国際バレエコンクールにパートナーで出場、杉山聡美さんの銀メダル受賞の力となったという大野晃弘さん、ダンスールノーブルというのは、このような人を言うのでしょう。
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