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青色LED特許権・東京地裁中間判決に思う    (2002.9.21)

2002年9月19日、青色発光ダイオード(LED)の開発者として知られる中村修二・米カリフォルニア大教授が、開発時に所属していた企業を相手に、青色LEDの製法特許の帰属などを求めていた起こした訴訟について、東京地裁は「会社に特許の権利を譲渡するとの黙示の合意があった」として会社側への帰属を認めた中間判決を行いました。
中村氏は中間判決を不服として、控訴する方針とのことです。
 
特許法では、職務上の発明であっても、まず技術者などの個人が特許権を得ることになっているようです。でも、もし社内規定であらかじめ定めておいた場合は、企業への特許の移転も可能なようです。その代わり従業員は、企業に対し「相当の対価」を請求することができるのです。
つまり、特許法では、研究開発への投資に対して企業が回収することを認めているものの、従業員に金銭面で報いてやる気を起こし、更に優れた研究に取り込んで貰うことを求めているのだと思います。
 
この裁判は、今後は「特許権が中村氏から会社側に移されたとすると、会社が中村氏に支払った対価は正当なものだったか」に裁判の焦点は移っていくようです。新聞では会社の支払いは2万円だったそうで、対価というにはあまりに少なすぎると思うのですが。
私は、研究者として、中村さんは、ぜひ控訴して欲しいと思います。なぜなら、今回の中間判決は「会社の発明は誰のものか」に対して、「会社のもの」との解釈なのです。特許法では、職務上の発明でも、まず研究者など個人に特許権が帰属することになっているのに、判決はその逆を行っており、どう考えても特許法と矛盾すると思うからです。
 
日本人の多くの優れた研究者が米国など海外で活躍しています。この背景には、今回のように「会社の発明は会社のもの」というような日本の考えに嫌気をさして、海外に飛び出た研究者もいるように思われてなりません。
その意味で、今回、中村さんが訴訟を起こして下さったことで、「特許の権利」についての関心が高まったのは、とても歓迎すべきことだと思います。
優れた技術者・研究者のやる気を感化し、一層の研究に取り組んでもらい、これ以上日本の優れた頭脳の海外への流出させない為にも、中村さんにはぜひ勝訴して欲しいと思います。中村さん、頑張って下さい。


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