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バレエ「カラヴァッジオ」:マラーホフ、セミオノワ、中村祥子、ベルリン国立バレエ  (2010.2.20)

「カラヴァッジオ」は、イタリア絵画の巨匠ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)の心の葛藤を表現したバレエです。カラヴァッジオは、16世紀のイタリア・ミラノ生まれの画家で、バロック絵画の先駆者であり、彼の作品は、光と影の明暗のコントラストの強さが特徴的とされています。

全編を通じて、抽象的な表現の連続で、古典バレエを見慣れた私には難解で理解できないところが多く、これがバレエと思ったところもありました。第1幕は、カラバッジョの人生を表現したものでしょうか。第2幕は、殆どストーリーはなく、カラヴァッジョの絵画世界面を、ストイックに鍛え上げたダンサーのあたかも彫刻のような肉体によって具現化したというようなものでしょうか。
 
振付はイタリアのマウロ・ビゴンゼッティ、音楽はモンテヴェルディ。出演は、ベルリン国立歌劇場バレエ団芸術監督マラーホフ、同バレエ団のプリンシパル、ポリーナ・セミオノワ、中村祥子、それに、ミヒャエル・バンジャフ、ドミトリー・セミオノフ他、ベルリン国立歌劇場バレエ団員。マラーホフ監督自身がカラバッジョを演じ、レオ・ジャコビナが彼の分身を演じています。マラーホフの入魂の踊りが見事ですが、全員にみなぎる集中力と勢いにも圧倒されます。中村祥子さんも、情感豊かで、とても素敵でした。ただしこの映像はクローズアップが多すぎ、バレエの舞台全体の美しさが損なわれてしまっています。バレエは芸術ですから、アップもほどほどにすべきで、顔や足先といったパーツを切り取るように映すのはどうかと思います。
    バレエ「カラヴァッジオ」
    振付:マウロ・ビゴンゼッティ
    出演:ウラジーミル・マラーホフ、ポリーナ・セミオノワ
       中村 祥子、ミヒャエル・バンジャフ、ドミトリー・セミオノフ
       エリッサ・カリッリョ・カブレラ、ミハイル・カニスキン
       ベアトリス・クノップ、レオナルド・ヤコヴィナ
       他、ベルリン国立歌劇場バレエ団
    音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ
    指揮: ポール・コネリー、演奏:ベルリン国立歌劇場管弦楽団(シュタッツカペル)
     2008年12月、 ベルリン国立歌劇場 Staatsoper Unter den Linden

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