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エスメラルダ〜パ・ドゥ・ドゥ:セシリア・シルバ   (2014.7.24)

とても興味深いバレエの映像がyou tubeに載っていました。 ブラジルのジュリアナ・マイア(Juliana Maia)というバレエ教室の発表会でのエスメラルダ〜パドゥドゥで、 踊っているのは、教師のセシリア・シルバ(Cecilia Silva)で、パートナーはゲストのMayk Aleksのようです。 セシリア・シルバは、回転も、リフトからのフィッシュダイブも、バランスも、懸命に難しい技に挑戦する意気込みが感じられて気持ちが良い。

まず回転。アダージョが始まってまもなく、パートナーに腰を支えられてピルエットを10回転。 中盤では、6回のピルエットを2度、アダージョのフィニッシュでもピルエットを10回転。 コーダではダブルを含めてのグランフェッテを24回。さらに最後にピルエットを10回転と、計36回も回ったのです。目が回らないのが不思議なくらい。 次にフィッシュダイブ。リフトから真っ逆さまに落ちるフィッシュダイブを2回ともピタリと決めました。

見せ場のアチチュードのバランス。バランスの一回目、プロムナードの回転の後、ポアントのアチチュードでパートナーの支えの手をなかなか離せない。 それでも恐る恐るながらも意を決して手を離して、グッと堪えて一人立ちのバランス。 上体がグラグラ揺れて危なっかしかったけれど、足首を小刻みに動かして必死に持ちこたえ、 そのまま長〜いバランスをジ〜〜ッと保ちました。 大きく揺れて、これ以上は無理と手を下ろして、サポーターの手をギュッと握り締めるまで、何と10秒間。 以前、「バレエの喜びは『オフバランス』。 音を聴きながら、遊ぶ、挑戦する、音楽をひっぱる、自分のバランスをため、どこまでいけるか・・・・」と テレビの番組で語っていた中村祥子もビックリという位の懸命に粘り抜いたバランスでした。 険しい表情で歯をくいしばって必死に頑張る表情が何とも魅力的。 どんなに危うくなっても、それをのりこえて、見せ場を作ろうとする精神力と技術は流石です。 手に汗握る究極の妙技に「オオーッ!!」という観客の驚嘆の声。思わずセシリア・シルバの口元が緩みました。 ただ二回目はやや不調。手を離した直後に大きくグラり。 その後もフラツキがおさまらず、必死にバランスを立て直そうと必死に頑張ったものの堪えきれず、意に反した結果になってしまった。 それでも8秒ほど。立派です。観客の大きな拍手を受けました。
 
セシリア・シルバの踊りには荒削りなところがあり、しなやかさに欠け、美しさという点では今一で、 バレエというよりアクロバットのようで、迫力に満ちた強靱な踊りでした。 でも超絶的な技巧には驚嘆。しかも最高の技を見せようと一生懸命に踊る姿は感動的です。 セシリア・シルバは、恵まれたプロポーションと長い手足をつかって、小さい華奢なバレリーナにはない表現が可能なので、これにしなやかさと繊細さが加わったら、 一層素敵な踊りになることでしょう。

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