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デュポン、ルグリの「眠りの森の美女」 (2001.2.25)
BS2で、デュポン、ルグリの「眠りの森の美女」を見ました。
真夜中の2時間半(0:45〜3:16)は辛かった。でも一生懸命起きて見ていました。
この「眠りの森の美女」というバレエは、ふつう主役のバレリーナの魅力で善し悪しが決まるものですが、この映像は、むしろルグリのデジレ王子の魅力によるところが大きいと思いました。
ルグリは、マラーホフの甘いマスクに比べると、やや叔父さんのような感じをうけるものの、クラシックの王子そのもの、安定した力強いサポートが光っていました。もちろん、ソロでの正確さ、優雅さ、そしてダンスールノーブルとしての威厳も備えた素敵なダンサーだと思います。
デュポンは、本当に美しかった。ステージにパッとバラが咲いたよう。オーロラ姫という古典バレエの中で、最も華やかな役に相応しい美しさでした。
でも、私には何故かなんとなく重く感じられました。特に、第1幕では、大人っぽい感じが漂い、16歳のオーロラに最も必要と思われる可愛らしさに欠け、4人の王子から求婚された恥じらいが見られませんでした。ローズアダージョのバランスはばっちり決まって、とてもすばらしいのですが、終わって、心底引き込まれたという気持ちにはなれなかったのです。この点、吉岡美佳さんや下村由理恵さんのような日本のバレリーナの人たちのほうが、細やかで、遙かに良い味を出していたように思いました。
それから、デュポン・ルグリのペアでは、トゥで立つとデュポンの背がルグリを越えてしまいます。チョット気になりました。もう少しルグリの背が高かったら・・・と思いました。
このステージ、先日の東京バレエ団ののような2幕大幅カットと違い、幻想の場もばっちり入っていて、オーロラ、王子の踊りをたっぷり見ることが出来ました。「眠り・・」はやはりこうでなければならないと思います。
幻想のシーンで、デュポンは目を見張るバランスを見せてくれました。
ただ、リラの精やカラボスの踊る部分が少なかったのはチョット残念な気がしました。
ともあれ、真夜中の2時間半、テレビから目を離せないほど引き込まれていった、素敵な映像であったことには違いありません。