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バレエ「エクセルシオール」 (2004.7.10)
バレエ「エクセルシオール」は、イタリア・バレエ史上最も成功した作品のひとつと言われています。初演は、1881年、ミラノスカラ座。一般的な古典の長時間のバレエは、おとぎ話、神話、あるいは小説等を題材にしているのですが、このバレエは、19世紀後半の人類の技術発展を賞賛するという異色の内容です。蒸気エンジン、ブルックリンブリッジ、電気、電信、スエズ運河など、19世紀を代表する技術的功績が、寓話的、空想的な脚色によって、バレエにより表現されています。知性の象徴である「光」が、無知の象徴である「闇」と戦いながら人間の文明の発展を助けていくというストーリーです。なおこの版は、1967年にフィレンツェ五月祭において復元されたバージョンだそうで、この時から「奴隷の踊り」が追加されたそうです。
マルタ・ロマーニャは、美しい容姿に、体ももとても柔らかいようで、「光」役に相応しい素敵なダンサーです。反面、「文明」役のイザベラ・シアボラが、貫禄はあるものの、いまひとつ精彩がないように感じました。「奴隷」には、若いロベルト・ボッレが起用され、190センチの長身の躍動する身体の美しさを際立たせています。
ストーリーがはっきりせず、やや退屈するところもありますが、舞台装置や衣装も良く出来ていて結構楽しめます。
振付:ルイージ・マンツォッティ、ウーゴ・デラーラ
音楽:ロミュアルド・マレンコ
出演:マルタ・ロマーニャ(光)、リッカルド・マッシミ(闇)、
イザベル・シアボラ(文明)、ロベルト・ボッレ(奴隷)
演奏:ミラノ・スカラ座管弦楽団、指揮:デビット・コールマン
2002年5月、ミラノ、アルチンボルディ劇場にて収録
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